第3話 ダークエルフとエルフのシャーマン(35)
となれば?
今迄でサラ率いる此の国の先鋒隊に追いかけ回され畏怖──。命からがら逃げ回っていたミノタウロスの戦士達。オス達に限り、限定だが。身体や心に傷を負った自分達のことを、慈愛を込めて優しく守り守護してくれると、己の両手を広げながら囁いてくれる強き力のある女王、巫女、シャーマンへと、自分達が今迄尽くし従ってきた男王……。力の無くなった物を捨てる。いらぬ。もう二度とあのような者……。
そう、この集落の男王、酋長には従わない。尽くさないのだと、ミノタウロスの漢戦士各自が個々で決めて。美しいダークエルフの少女──。女王、巫女、シャーマンへと心から忠誠、誓うと決めて、妖艶、官能的だが、神々しく艶やかに輝く、異世界、異国、異種族の姫巫女であるサラ姫の許へと、ミノタウロスの漢戦士達は、元気の良い者や怪我人──。
己の怪我した身体を起こすのがやっとの物でさえ、強引、無理やり、己の傷ついた身体を起こして、元気な者達と同じくサラ姫の周りの集い平伏──。
『はっ、はぁ~。はぁ~』と、両手を上げ、拝み、奉り始めるのだ。
まあ、そんな男達の様子──。ミノタウロスのオス達が、自分へと平伏しながら拝み、媚びを売る様子、容姿を凝視すれば。先程のプラウム嬢ではないが、サラ姫も大層御立腹──。
『わらわは、満足! 満足! 満足である!』と、なる訳なのだ。