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ある日の大晦日日記 番外編

「じーにしゃま~」
ぽてぽてぽて
〖は~い♪サーヤどうしたのかしら?〗
ひょいっ
ジーニ様が抱っこしてくれます。あったかいです。
「あにょにぇ~、このしぇかい、おおみしょかちょか、おしょうがちゅ、ありゅ?」
〖オオミソカ?オショウガツ?何かしら?〗
不思議そうなお顔です。じゃあ、ないのかな?
「おおみしょか、いちにぇんにょ、おわり、あいがちょ。おしょうがちゅ、あたりゃちいとし、おめでちょ」
〖ああ!新しい年をどう迎えるかってことかしら?〗
「しょう。ありゅ?」
新しい年をどう迎える?ってことは、やっぱり、年は変わるんだよね?

〖そうね。新しい年を向かえると、おめでとうってパーティーみたいのするかしらね?年の終わりに何かするってことはないかしらね?〗
「しょっか~」
『サーヤはどうしてたのかしらぁ?』
ひょいっ
「う?」
〖あぁっ!精霊樹の精!何するのよ!サーヤ返して!〗
『え~?いいじゃない~。ん~むにむにねぇ』
「せいれいじゅにょしぇいしゃま」
突然湧いてきた精霊樹の精様に抱っこされちゃいました。ついでにほっぺたむにむにされてます。
『それで?どうしてたのだ?』
『ききた~い』
ギン様とハク親子も聞いてきました。

「んちょにぇ~おおしょうじちて、おうちきりぇきりぇちて~」
『大掃除…年の終わりに一年の汚れを落として新しい年を迎えましょうってことかしらぁ?』
精霊樹の精様が考えてくれます。
「たぶゅん?さーにゃみょ、おてちゅだい」
箒ではいたり、雑巾かけしたり
〖そう。えらいわねぇ〗なでなで
「えへ~♪」
ジーニ様に褒められちゃいました。

『あとはどうするんだ?』
ぴゅいきゅい『『なにするの?』』
「うにゅ?」
いつの間にかモモとスイ、アルコン様たちもいました。というか、みんないます。
「おしぇち、ちゅくって~」じゅるり
『おせち?』
『その顔は美味いもんだな?』
フゥ、クゥ、なんでわかったの?
「う?おしょうがちゅ、たべりゅ、おいわいにょ、ごはん。くりょまめ、ちょか」じゅるり
黒豆好き。
〖くすくす。サーヤも作ったのかしら?〗
「おてちゅだいちょ、おあじみかかり。くりきんちょん」じゅるり
栗きんとんのきんとんが好き。きんとんだけ食べると怒られちゃうの。
『うふふ。お味見がメインみたいね~。あとは?』
「あちょ?とちこちしょばたべちぇ、じょやにょかにぇ、きく。おちょにゃは」
『大人は?』
『サーヤはどうしたの?』
フルー、フライ痛いとこついてきますね
「おしょばたべちゃりゃ、さーにゃ、がんばりゅけぢょ、よにゃかだかりゃ…」
『あっそうか~』
『ねんねしちゃうんだ~』
『よるだもんね~』
「あい」
妖精トリオ当たりです。
『くすくす。いい子は夜ねんねしないといけないものねぇ』
「あい」
おばあちゃんもそう言ってました。
〖じゃあ、年明けたらどうするの?〗
「あけまちて、おめでちょ、ちて、おしぇちちょ、おじょうにたべちぇ、あしょぶにょ」
色々遊びます。福笑いとか、羽子板とか、凧揚げとか

〖なるほど、私たちはどうしようかしら?〗
『そうねぇ、ご馳走は作れないしねぇ』
う~ん、と、みんなが考えてると

『ねえねえ、じゃあ、サーヤが聞けなかった、じょやのかね?なら何とかならないかな~?』
「うにゅ?」
ハクが名案でしょ?って。
ぴゅい『お~』
きゅい『めいあん~』
『ハクすごい』
『やろうやろう』
『サーヤ~』
『かねなに?』
『どんなの?』
ちびっこ達が次々と聞いてきます。
「えっちょ、きのぼうぢぇ、ごいーんっちぇ、ひゃくやっちゅ、なりゃしゅにょ」
〖百八回?また随分たくさん叩くのね〗
ジーニ様がびっくりしてます。
「にんげんにょ、ぼんにょうにょ、かじゅ?」
よく分かりません。
『人間の煩悩…』
『多いな…』
『妙に納得だわぁ』
大人たちが微妙なお顔です。

『じゃあ~ごいーんって音がするもの探しに行こ~』
ぴゅいきゅい『『さんせいなのーっ』』
『『行こう行こう~』』
『『『きょうそうだ~♪』』』
ハクたちが探しに行こうって!

〖そうね~じゃあ、探しましょうか〗
「あ~い♪」
なんか、大事になっちゃったような?でも、楽しそうです!
そして、みんなで集めたものは、実とか、木とか、石とか、訳の分からないものとか…

「じゃあ、サーニャ、いきましゅ!」
きゅい~ん♪
「ほえ?」
なんちがう~
『うふふ。なんか、可愛い音だね~。じゃあ、これは~?』
ぼよよ~ん♪
「きゃはは♪」
ハクのは、ぼよよ~んでした。
『あれ~?』
変なの~
ぴゅいきゅい『『つぎこれ~』』
かこーんかこ~ん♪
ぴゅいきゅい『『きゃはは~』』
「かこ~ん♪」
おもしろ~い
『つぎ~フライとフルーは~?』
『『これだよ~』』
ガシャーンっ
ピシャーンッ
「うひゃあ」
ぴゅきゅ『『ぴゃああっ』』
『うわ~』
『『『すごい~』』』
くわんくわんする~
あ、フライとフルーが倒れちゃった
「ちゅ、ちゅぎいこ~」
『は~い』
『ぼくたちは』
『これだよ~』
キーン・コーン・カーン♪
「ふぉ~」
チャイムみたい~
ぴゅいきゅい『『おもしろ~い』』
キュイーン、ぼよよん、ガシャーンと、みんなで色んな音を鳴らします。
『でも~ごいーんっないねぇ?』
「しょだにぇ~」
でも、あと何あるかな?かこーん

『ふむ。では、これはどうだ?』
ごいーんっ
「ふおおっ」
アルコン様、近いです!
ぴゅいきゅい『『おとうしゃん?しょれ、なに?』』
アルコン様が鳴らしたそれは?
『うむ。我の鱗だ』
『『ごほっ』』
フゥ?クゥ?どうしたの?
『エ、エンシェントドラゴン様の鱗…』
あれ?ギン様までなんか変?
〖あんた、それは…〗
「じーにしゃま?」
訳わかんないから教えて?
『サーヤ、国同士が喧嘩してでも欲しがる物っていったら、分かるかしらぁ?』
代わりに精霊樹の精様教えてくれました。
「ふお?きちょーひん」
『それ、だめなやつ~?』
ハクがそう言うと、双子が
ぴゅいきゅい『『だめじゃないなの!』』
お父さんの鱗はダメじゃないって反論してます。ちょっとぷんぷんです。
『モモ、スイ…』
アルコン様、涙?
『あ~ごめんね~人間に知られちゃダメなやつって意味だよ~』
ぴゅいきゅい『『それならわかるの』』
ハクがごめんねしたら、双子はうんうん。って納得してます。

「あるこんしゃま~」
『なんだ?』
「たちゃいていい~?」
『ん?いいぞ』
「やっちゃ~♪あいがちょ」
アルコン様が鱗をサーヤの前に置いてくれました。じゃあ、せーのっ
〖ああっちょっと待った!〗
「う?」
びっくりして、一瞬止まりましたが、止まりきれず、へにゃっと

ごい~んっ

「ふわわわわわわ」
ごいんごいんごいんごいんっ
体に響きます~うぅ

〖遅かった~〗
コンコン
『ああ、これは硬いわねぇ。思い切り叩かなくてよかったわぁ』
『アルコン様…ご自分の価値をもう少しご理解頂かないと…』
『す、すまん』

アルコン様の鱗はカチカチのコチコチでした。

『う~ん、サーヤ?さっきの音、近いって言ってたわよねぇ?』
「う?あい。ん~もちょっちょ、やわりゃかい?ごぉーん?」
もう少し柔らかい?感じ?

『じゃあ、さっきハクが見つけた木の実でぇ、えいっ』

ごぉ~んんん…

「ふお~こりぇ~!」
この音です!精霊樹の精様すごい!ハクもナイスです!ぱちぱちぱちぱち
『お~ぼくもしかして、お手柄~?』
ぴゅいきゅい『『うん!』』
『『おてがらだね~』』
『『『ハクすご~い』』』
ぱちぱちぱちぱち

『うふふ。良かったわぁ。それじゃあ、サーヤどんな棒で叩いてたのぉ?』
「う?かにぇ、ちゅく。なわ?ちゅるされちゃ、ぼう、ごーん」
〖んん?叩くじゃなくて突く?〗
サーヤの身振り手振りな説明ですみんなが新たな疑問に悩むジーニ様たち。

『あっ。こんな感じはどうかしらぁ?』
精霊樹の精様、なにか思いついたみたいです。
しゅるしゅるしゅるってサーヤの前にちっちゃい木が生えて、それに精霊樹の精様がハクの見つけた実をくっつけて、ブランコみたいのを作ってくれました。
『うん。こと辺りかしらね?』
その向かい側にもう一本木を生やして、今度はアルコン様の鱗をそこに止めると…

『はい。サーヤ、このツルを持ってぇ』
「あい」
『ちょっとふりかぶってぇ、はい!』
「あい!」
ごぉ~んんん…
「ふおおおお」
『うふふ。どうかしらぁ?』
精霊樹の精様がニコニコしてます。
「しゅごいしゅごい~♪」
『うふふ。成功したみたいねぇ』
大成功だよ!

『ぼくもやっていい~?』
ぴゅい『あたちも』
きゅい『ぼくも』
『もちろんよ~』
『『わ~い♪』』
『『『やりた~い』』』
みんなでかわりばんこに、ごーんってします。
楽しいです!

〖ん~不思議と落ち着く音ねぇ〗
『そうですね。つい静かに聞いてしまいますね』
『うふふ。見て~順番待ちしながら眠そうよぉ』
『ふむ。まさか、我の鱗にこんな使い方があったとは…』
ちびっこたち、順番待ちしながら寝始めました。

『あらあらぁ仕方ないわねぇ。ジーニ様、魔法で百八回鳴らしてよぉ』
〖仕方ないわねぇ。サーヤは結局最後まで聞けなかったのねぇ〗
『まあ楽しそうでしたから大成功じゃないですか?』
『そうだな。今年がダメでもまた来年がある』
〖そうね〗
これからまだまだ時間はある。平和な時間がどうか続きますように。サーヤが幸せでいられますように。
サーヤたちの寝顔を見ながら願う大人たちでした。

☆。.:*・゜☆。.:*・゜
12月から投稿させて頂き、皆様にお読みいただけて、本当にありがとうございます。
今年は人生初繰り返し入院あげく手術と、個人的には非常にとんでもない年でした。来年は平穏に暮らしたいと思っております。
皆様もどうかご自愛くださいますように。
来年もよろしくお願いします。
皆様、良いお年を

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