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69 特別な木?

ハクはマイペースにあったことの説明を続けます。

『はちみつってね~美味しいだけじゃなくて、すっごく体にいいんだって!サーヤの体にも絶対いいから、沢山食べて欲しい!って。それにね~?女の子なら、えっと、なんだっけ?「びよー」と「けんこう」?にいいからって~』
びゅおっ!ぞくう~
「ふお?」
『あれぇ?なんか寒い~?』
ハクは話の途中で背筋がぞくうって寒気を感じたみたいです。サーヤも感じた気がします。

〖気のせいよ〗にっこり
『何も変わらないわよ?』にこっ

「ふ、ふお?」
『そう?ならいっかぁ~?』
「ふえ?」

『そうよ。それで?』
〖どうなったの?〗
ジーニ様?フゥ?なんか怖いよ? ハク、それでいいの?

『それでね~』
普通に話し続けるハクすごい~

『はちさんたちがぼくたちにお礼したいって言ってくれてたから、じゃあ、サーヤに食べさせてあげてって言ったら、いいよって~』
「ほえ?」
ハクたち、そんなお願いしてくれたの?

『そしたらね~』
『せっかくだから~』
『まいにちたべさせたいって~』
妖精トリオがハチさん達の言ってたことを楽しそうに教えてくれます。
サーヤの前髪につかまって、おでこペちペちしながら…落っこちないでね。

『でも、毎日は遠いから』
『大変だよって言ったんだ』
フルーとフライもハチさんたちを心配してくれたんだね。優しいね。

『そしたらね~?はちさんたち、引越しすれば大丈夫って。巣を作らせてくれた木が特別だからできるよって~』
「ふあ?」
とくべつの木?

『あ~見えてきたな…』
『そうですね…』
アルコン様とギン様が小声で納得しあってます。


『それでね~、はちさんの女王様が特別な木にお願いしてくれてね~。木のお姉さんもサーヤに会いたいからいいよって。クモさんたちも体に乗っけて歩いてきてくれたんだよ~』

ん?なんか、今のところ、ツッコミどころいっぱいなかった?
木のお姉さん?歩く?体って?はて?

『それでね~』
『たのしくてね~』
『うれしくてね~』

『みんなで話しながら』
『楽しく歩いてたら~』

『なんでか歌みたいになっちゃったんだよね~』

『『『『『ね~♪』』』』』

なるほど~ハクたちよっぽど楽しかったんだね。今度まぜてもらおう♪

ハクたちの話を聞いていたジーニ様が胸のところで腕を組んで、目を細めてじーっとはちさんの木を見つめています。足がモデルさん立ちになっているので、迫力満点です。そして、おっきなため息をつくと…

〖特別な木ね~?そりゃ特別だわ。だってこの木、精霊樹じゃない。ねぇ?出てきなさいな。木のお姉さん?〗

え?ジーニ様?何言ってるの?出てきなさいって?訳が分からなくてジーニ様と特別な木をかわりばんこに見てると…

『ふわぁ~ぁぁ、な~に?久しぶりに動いたから私疲れてるのにぃ。だ~れ?お昼寝の邪魔するのぉ~』す~ぅ

「ふあっ?」
本当にお姉さんが木から出てきた~?しかも眠そう~?しかも肩までで止まっちゃった?

〖それは悪かったわね。私よ。まったく、何百年と見かけないと思ったらこんなとこにいたのね?精霊樹の精〗

「ふえ?」
ジーニ様何言ってるの?

『『はい??』』カチンっ

『やはりな』
『やはりですね』
フゥとクゥはカチンって固まっちゃったけど、ギン様とアルコン様は思ってた通りだったみたいで妙に納得してます。そして…

『あらぁ~?魔神様じゃなぁい。お久しぶりぃ~ おはよぉ~』

そして、おっとり美人さんが今度こそ全身、木からス~っと出てきました。

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