エルフな勇者さまの苦悩?(3)
う~ん、さてさて、この、寝ている魔王(ひと)をどのように煮て焼いて食べようか?
……ではなかったね。またすいません……。
そう、己の怨敵である魔王をどのように殺傷処分にしてやろうか……?
また思案を始める。勇者の私なのですが……。
やはり、己の純情、乙女、純血を捧げた。と、いうよりも?
奪ったこの魔王(ひと)のことを、私は、殺せない。殺せないよ。と、己の心の中で思い。思案を続ければ。自分自身の心の奥底に隠れている闇、悪と。私の勇者としての気構えである善! 善良な心が交互に、私へと意見を告げてくる、では済まないね?
私の心の中で、『魔王は、人の敵! 悪の根源だ! 殺してしまえ! 殺してしまえ! 私……』と。
『な、何を言っているの? 貴女は確かに勇者ではあるけれど。人では無い者……。この魔王と同じ魔族、亜人であるエルフなのだから。魔族、亜人の王に仕えるのは当たり前。当たり前なのよ。エル……。それに? 貴方と交わり。世継ぎを貴女に産ませて良い。良いと。魔王は思った。思ったと言う事は? 貴女は、魔族の女王──。太后殿下になるのだから。大変に良い話し。良い事ばかりじゃない。エル……。貴女は玉の輿乗れた。乗れたのだから。とっとと、勇者などやめて女王~。女王陛下になればいい~。なればいいのだよ。今貴女の足元で横になり。いびきをかきながら熟睡をしているこの男に急かし接しながら起こして、責任をとれと荒々しく要望すればいい。いいのだよ。エル~。分ったぁ~?』と、言った意見とが交互に私の脳裏をクルクルと回る。回るから。