60 ちびっこ同盟
主神が爆弾を落として帰ったあと、サーヤの前には名付けを望む長蛇の列が出来ていた⋯
「ふぉ~」
誰か名付けの才能をサーヤに~ ガシガシガシ
「くぉ~」
うわーんこんなにむりだよ~ ふぎゅーっ
「ふぎゃ~」
頭が~ ごろんごろんごろん
頭を掻きむしり、頭を抱え込み、地面を転がるサーヤ⋯
ちびっこ同盟がきゃっきゃしながら真似をし、更にジーニ様が
〖きゃ~可愛い~映像魔法炸裂よ~もう自動追尾システムとか作っちゃおうかしら~〗
とか叫びながらまた何かしている⋯
ちなみにちびっこ同盟のメンバーはなんとか先に名付けをおえている。
メンバーは
リーダー?のサーヤ
サブリーダーの双子ドラゴンのモモとスイ
それに続くサーヤの乗り物係ホワイトホーリーフェンリルのハク。事実上のリーダー。
そして新たに正式メンバーになったのはお花探しを手伝ってくれたリスさん、おサルさん、三人の妖精さんたち。
もはやネタが尽きて漢字シリーズを諦めたサーヤは外国語シリーズを考えていた。
リスさんは、名前を考えている時、
『ぼくね、いつか空を飛びたいんだ~』
という夢を語ったことから
「じゃあ、とぶっちぇ、いみにょ、「ふらい」は?」
とサーヤが命名したところ、フライングスクアラルという、モモンガとシマリスを足して二で割ったような見た目に進化し、喜んで木と木の間を飛びまくっていた。
それを見るみんなの顔が、猫じゃらしに同時に反応する猫たちのように、ぐいんぐいんっとなって、ジーニ様が興奮しまくったことを付け加えておこう。
おサルさんは
『サーヤと一緒に森の美味しい食べ物をいっぱいみつけて食べたいなぁ』
となかなかな食いしん坊発言をしたところ、
「じゃあ、おいちいふりゅーちゅ、たくしゃんみちゅけられるように、「ふるー」は?」
と名付けたところ、フォレストサーチモンキーという、探索と鑑定に特化した能力を持ったお猿さんになったようだ。
フルーもフライも手乗りサイズなのでサーヤの体をちょこまかして、やはりジーニ様が興奮している。
仲良し妖精トリオは、花の妖精、緑の妖精、木の妖精だったそうで、
『『『だからおはな、かんたんにさがせたんだよ~』』』
と言っていた。
サーヤがそれじゃあ、花、緑、 木のフランス語だかイタリア語だかを縮めて、
「ふぃお、ゔぇる、あーぶ は?」
と名付けると、ふわふわした光の玉の中、うっすら見えていた姿が名付けられると、ピンク、黄緑、青緑の髪、目、洋服を着た十五センチ位の女の子と男の子たちの姿にはっきりと変わった。
三人は『『『わーい』』』
と言いながら花びらと葉っぱをフラワーシャワーさながら降らせていた。
きゃっきゃするサーヤたちをジーニ様が叫びながら撮影していたのは言うまでもない。
そして、その後、冒頭に戻る
「ふぎゅぁあああ~」
ごろごろごろ
『『『『『きゃははは~』』』』』
ごろごろごろ
〖あ~ん♪かわいい~♪〗
『あ、はは⋯どうするのこれ』
『ははは、さすがにこの数は⋯』
『『ギン様⋯』』
苦笑いするしかないフゥとクゥ、もはや唯一の頼りのギン様に頼るが⋯
『ふ、ふーむ』
さて、どうしようか⋯
森の主様に次々と難問が⋯
まだまだ続く長蛇の列⋯
不思議踊りを続けるサーヤ⋯
まねっこするちびっ子同盟⋯
その周りを飛びまくる魔神⋯
いつまでもただ眺めているわけにもいかない⋯
だが、 一番頼りになりそうな魔神が
〖いや~ん♪かわいい~♪〗
あれでは、だれにも聞けない⋯
その時、大きな影がスーっと自分たちを覆った。