第6話 何故、物の怪でもないのに鋼の甲冑を身に纏う?(2)
僕自身も物の怪さまだと、今の今迄思っていた女性。そう、僕の膝の上で苦しそう。悲痛な吐息、息遣いをする彼女が身に纏う。鋼の甲冑に散りばめられた装飾、デザイン迄は細かくハッキリとは見え、確認ができないけれど。
多分、煌びやかな装飾を施している物のようだと思われるのだ。
物の怪の彼女は、ということはないね。僕の膝の上に頭を載せる女性はね。だってさ、先程も僕が告げ説明をした通りだ。
今の僕の膝に頭を乗せ、苦しく、荒い息遣いをしている彼女の口から吐かれ、漏れる息は生温かい。かったのだ。
と、なれば?
僕の膝に頭を載せる女性は……。
「あっ? 体温もちゃんとある……」
そう、僕が今驚嘆を漏らした通りだ。
僕は、己の膝の上に頭を載せる女性の襟元、首へと、己の掌をソォっと当ててみたのだ。
彼女に体温があるか、ないかを確認する為に。
もしも彼女に体温がなければ、最初に僕が思い感じた通りで。僕の膝に頭を載せる女性は、悪しき人。物の怪さまだと言うことになる。でッ、もしも体温がちゃんとあるようならば、僕と一緒、同じで、身体中に血が通う人。人間だと言うことになる。なるから。僕は彼女の首へと、ソッと優しく掌を当てて確認をした。したのだ。