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武藤黄門は(なんだよ)と思いながら何も言わずに屋敷に着いた
屋敷に入ると奥の部屋に生き、襖を開ける
中にはごろん、と寝そべりながらお煎餅を食べていた獣上サンダースケさんがいた
獣上サンダースケさんは武藤黄門と蝶野正カクさんが襖を開けると驚きながら言う
(うお、ビックリしたー)と言って正座になり、右手を差し出してどーぞ、武藤黄門様、お待ちしておりました
と言って豪快に笑った
武藤黄門は引いてあった座布団に座るとあぐらをかいた
蝶野正カクさんは獣上サンダースケさんを見ながら言う
お前、相変わらずリラックスしながら待ってんなー)
獣上サンダースケさんは笑いながら言う
(なに、いってんだよ、カクさん、俺はいつでもご老公が来てもいいように座布団引いて、ちゃんと部屋を暖めてたんだぜ)
とって、火鉢をかき混ぜた
カクさんは(さっきまで寝転びながら煎餅食べてなかったか、お前は)
と言いながら笑った
三人はしばらく無言でいると、蝶野正カクさんは言う
(でっ、思わず俺もついてきちゃたけど、俺、いないほうがいいか)と獣上サンダースケさんに言う
獣上サンダースケさんと武藤黄門は笑いながら言った
獣上サンダースケさん
(いゃいゃや、あんたもいなきやいけねーんだよ、ねー、ご老公様)
武藤黄門
(あーそうだな、まー何から話せばいいかな)
と言って二人は嫌な笑いを浮かべた
蝶野正カクさんは何か物凄く嫌な予感をしながら苦笑して聞いた
蝶野正カク
(なんだよ、一体、あーなんか二人で変な事、たくらんてるだろー)
と言う
武藤黄門と獣上サンダースケさんはお互いの顔を見ながら笑った
武藤黄門は言う
(まーなんだな、この三人の付き合いもなゲーよな)
獣上サンダースケさん
(そーですよね、なゲーよな、ホントに)
二人が笑いながらいってると、蝶野正カクさんは険しい顔をしながら言う
(なんだよ、一体、二人とも気持ちわりーな、ほんと)
すると、武藤黄門言う
(おい、おい、蝶野正カク、お前、気持ちわりーとか、言うなよ、ほんと、こんなのいつものことじゃねーかよ)
と言う
獣上サンダースケさん
(そーだよ、カクさん、別に気持ち悪くなんかねーよ、これがいつもの我々じやん)
と言う
蝶野正カクはそろそろ本題を聞きたくなって言う
(あー、わかった、わかった、でっ、何の話をするんだよ、やだぞ、変な話をされてもよー、こちら忙しいんだから)
という
武藤黄門は右手で足を叩きながら(じゃあ、そろそろ本題にいくか)
と言って蝶野正カクを真剣な顔をして見た
蝶野正カクは内心(なんだよ、気持ちわりーな)と思いながら聞いた
(でっ、何ですか、一体)