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はせがわはかなぎの部屋につくとトントンとノックをする

かなぎはどうぞと言うと、はせがわは
失礼しますと言って中に入った

かなぎは部屋でいろいろな本を読みながら座っていた

はせがわはノートをかなぎに渡しながら(今回の相談のノートをお持ちしました)と言って、静かに座った

かなぎはノートを見ながら考え込んだ

そして40分は、くらい時間がたつとはせがわに言う

かなぎ

(では、はせがわさん、あさかさんたちをこちらに連れてきてください)

はせがわは(わかりました)

と言って立ち上がると、ドアを開けてあさかさんがいる本殿に戻る

あさかは夫妻はようとなにやら話し込んでいると、はせがわが来た

あさかたちが話をやめると、はせがわは笑顔で言う

(すみません、あさかさん、お待たせしました、こちらへどうぞ)

と言って案内した

ドアの前まで来るとはせがわは(住職、お連れいたしました)

と言う

かなぎはでは、入ってください

と言うとはせがわはドアを開けて、あさか夫妻と共に部屋に入る

かなぎが正座でいると、あさか夫妻は座りながら礼をして言った

(はじめまして、住職様、今回はよろしくお願いします)

と言った

かなぎは笑顔で言う

(はじめまして、あさかさん、この寺の住職をしているかなぎと申します、今回はよろしくお願いします)

と言って礼をした

では、しばらくお待ちくださいとかなぎが言うとノートをもう一度見直して考えた

はせがわとあさか夫妻は正座をしながらゆっくりと待った

しばらくするとかなぎは言う

(あさかさん、大変でしたね、息子さんの件、そこでいろいろ聞いてみたのですが、よろしいでしょうか)

あさか夫妻は二人でお互いを見ながらかなぎに向き直って言う

(はい、私たちで出来る事でしたら何でもお話いたします)

と言いながら苦悩の表情を見せた

かなぎは言う

(あさかさん、まずはお二人のことですが、どのようなお仕事をなさっておられるのですか)

ごんそうは言う

(はい、住職様、私は昔、車の塗装の仕事をしていました、定年でやめてから年金で暮らしています
妻のみさこは職場で恋愛結婚をいたしました
結婚後、子供も出来たので妻は仕事をやめて家事に専念していました

息子が誕生してから嬉しくて、いっそう仕事を頑張ってきたつもりです

息子のしんいちはそりゃあ、可愛くて
たまの休みには家族そろって旅行などもしていました

ただ、しんいちは学校の成績はあまりよくなかったので、多少、厳しく育てたつもりです

しんいちも頑張って勉強に励んでいましたし、そのお陰で早稲田大学に進学いたしました

それなのにしんいちと来たら社会に出て、せっかく一流の企業に就職したのに、26歳の時になぜかわからないんですが、仕事をいきなりやめて、そのまま家にとじ込もってしまったんです

もう、どうすればいいのか、わけがわからなくなりました、どうすればしんいちはまともにやるんでしょうか)

と悲痛の訴えをした

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