51章 プラチナセンター
「プラチナセンターはここですね」
建物を想像していたものの、案内されたのは庭のようなところだった。
「裏世界では自動でプラチナが作られます」
そんなことがあるのかなと思っていると、庭にプラチナのようなものができあがることとなった。どのような原理で作られているのだろうか。
現実世界にいたなら大金持ちになれそうだ。人間は貴重な金属には、高額なお金をつける。
「プラチナは何に使われるんですか?」
「プラチナは武器を作る原料、生活用品などに生まれ変わります」
貴重な金属を武器に使ってしまうのか。とんでもない贅沢をしていると感じてしまった。
「プラチナはお金に使わないんですか?」
「裏世界にお金はありません」
「生活はどうしているんですか?」
「成り行きでやっています。細かいルールは定めていません」
厳格すぎるのはよくないけど、適当すぎるのもどうかなと思う。ある程度はルールを決めておかないと、住民同士のもめごとに発展してしまいそうだ。
アカネはルールを決めたほうがいいと思ったものの、口出しすることはしなかった。彼らが生活できていれば、それでいいのではなかろうか。
「プラチナセンターのあとは、裏世界の基地に案内します」
裏世界では基地を作っているのか。アカネはどのようなものなのかなと思った。