第2話 何となく寂しい気がする夜?(3)
「ありがとうね~。お兄さん~」
「じゃ~、お先に~」
「山本さんお疲れ~」
「じゃ、山本さん、また電話を頂戴だい。待っていますね~」と。
農協の金融部の人達に続き、今度は逆でね。最後に農協の購買部の女性(ひと)が、また、僕のこの農協の購買部への出店──。日にち、日程が決めれば、出店予約の電話をくださいと告げてくれた。
だから僕も「ありがとうございます~。またお願いします~」と。
農協の購買部の女性(ひと)へと告げる。
でッ、告げ終えれば、皆さんの背に向けて軽く会釈をしたのだ。
すると皆さんは、各自、各々が所有する車へと『ガチャン』、『ドン』と、音を立て乗り込み──。
『ブル、ルルン~』と、車のマフラーから音を立て漆黒の闇──暗闇へと消えていったのだった。
だから僕はまた一人──。相棒、逢い方ももいないので。
この漆黒の闇に覆われた空間の中で、寒さに耐え忍びながら商品、雑用物の片づけを沈黙、無言状態になりながらコツコツとおこなう僕だったのだ。
あああ~、寂しい~。侘しい~と、思いながらねぇ。
◇◇◇◇◇