④
「そうだったんですね……」
「流石に、全員が怪しいってなったら、命と精神が持たないから、少しずつ絞り込んだんだ。ハヤテ」
「はい」
ハヤテは短く返事をし、二人に各々封筒を渡した。
「中には、怪しいと思う人物の情報が入ってるから、厳重注意で頼むよ」
「分かりました。
今、中を拝見しても?」
「ああ、どうぞ」
許可を得て、
サクヤとヒナは封筒の中身を確認する。
封筒の中身は、二人とも同じで、
二枚の紙が入っており、各々に人物の名前や経歴等が書かれていた。
「最も怪しい人物は二人。
しかし、どちらも頭が切れる故、注意が必要だ」
書類に書かれていたのは、
二人の男性の情報。
一人は穏やかな笑みを浮かべ、
反対に、もう一人は
正反対な二人だと、見ただけで分かる。
「君達には、しばらくの間、この宮殿に住んで貰う。名目としては、僕や宮補佐の密着取材としてだ」
一国民であるサクヤ達が、フウマや宮補佐達に会う事。ましてや、長達が住む宮殿に入る事等、滅多に無い。
その為、いかに怪しまれずに動くには、密着取材として、動いた方が得策ではないかと考えたのだ。
「分からない事や気になる事は、
そこに居るハヤテとカザハナに、聞いてくれ」
「分かりました」
「ああ、よろしく頼むよ」
そう言い、フウマはコクッと頷く。
頷くフウマを見たサクヤ達は、
フウマに一礼し、その場を後にした。