愚者の味方は二つの月
何処だココ? 最初に出た所じゃないな
って事は、バラバラか、もしくは、全員ココにいるか か。だったら、警戒しといた方が良いよな。審判借りて奇襲の対策しておいた方が良いか。 いや、あんまり借りすぎるのはな……
「どうしたもんか」
考えながら累はココに現れるのを見たであろう髪の長い女性と、その背後に隠れているアルビノの子に目を向けていた。
「急に現れたけれど、貴方、誰?」
「敵では無い」
「今の状況で信じられると思う?」
「ソッチが攻めてこないなら何もしないしお前らの状況なんて知らない」
「じゃあ、味方?」
「理由と状況による 敵には多分ならない」
「ねぇ、助けてもらおうよ」
「えっ、いや信用できないって」
「助けがいるのか?」
気不味そうに手前の女性は目を逸らした。
「言いたく無いなら言わなくても良い。とにかく困ってるなら途中まで助ける」
「助けたら後々困らない?」
「その時はその時。もし不都合なら叩き潰すだけ。先に言っとくが不意打ちはしない。戦う前は戦うとかそう言う事言うから」
「…… 何で途中まで?」
「途中で消えるか、途中俺目当ての強い奴の相手する可能性あるから最後までは無理だ」
「大変なんだね」
「その人達の名前を聞いても?」
「コッチの冬華と、不定形の奴と、拒絶の奴と、マキナって奴」
「ココにきた理由を聞いても?」
「ちょっと長くなるがソコは勘弁」
累はココの世界へ来た理由と、さっきまで起こっていたことをありのまま包み隠さず話した。
「クリフォトの拒絶の所行ってたって、行けるものなの?」
「逆さ吊りの能力借りてどうにか」
「よく生きてたね」
「他人の力と運が良かっただけ」
「他所の世界は有るって聞いた事は有るけど、まさか、そこから来てしかも世界持ちって」
「途中までだと思うがソコは勘弁してくれ」
「……あの、冬華とは契約は何回していますか?」
「一回目」
「二度目は絶対しちゃダメです。どんな好条件でも二度目はダメ」
「理由は?」
「二度契約すると冬華の永遠の奴隷になります」
「頭の片隅に置いとく。教えてくれてありがとう」
「それじゃあ、コッチの事を話します。私はルナ。白髪の彼女はフォー」
内容は、フォーが愚者に当たる能力者で、能力を無効化してしまう事から悪魔の子と言われ、このまま逃げなければ殺されてしまう事。そしてそのお友達のルナが連れ出して逃げてきた事。そしてルナも月の能力者で有る事だった
「船の所まで出れば、後は此方のものです。オスクウェまで六日ですが、準備は満タンです」
「分かった。 俺にどうして欲しいとか有るか? 無いなら邪魔な奴蹴散らす位しか出来ねぇが」
「正直言ってソレで充分です」