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第7話Part.2~異質な被虐者~

「んおおおおっイクッイクぞっ!孕め!孕めェッ!透明化のスキルを持つこのインウント様の子を孕めェッ!」
「あぁぁぁっ、いっぱいっいっぱい出してくらしゃいっ……あああん!あかひゃん……あかひゃんのたねをいっぱいくださいィィッ……ああああッ。あうっ…………あ……あ……」

 俺が降りた瞬間男は絶頂に至ったらしい。男は腰を大きく振っていた。彼女に腰を打ちつけ、それはさながら楔を打ち込むかのように。おそらく奥で奥で精を放出しているのだろう。
 間に合わなかった……。だが気落ちしている暇は無い。俺は筋力強化のスキルを使用し、ヤツの首の付け根に指一本突き立てる。麻痺毒もおまけにプレゼントだ。今ここでこの男に尋問する気は無いし、かと言ってここで心臓を貫くと血が大量に溢れてしまうので気を失うように首元に強力な麻痺毒を注入したのだ。

 俺がヤツの首の付け根から指を引き抜くと、糸が切れた人形のように前に倒れる。そしてここで相手をしていた女も俺の存在を視認したようだ。いきなり誰とも知れない男が立っていて、そして今まで相手をしていた男は白目を剥いて倒れている。
 彼女は反射的に大声を上げようとしたが、俺は彼女の口を左手で押さえる。彼女は俺から逃れようと尻もちをついたような体勢で後ろに動くが、ベッドのすぐ横は壁となっており、壁に詰まって逃げられなくなる。

「声を出さないでくれ。俺はアンタを殺す気は無い。だがこのインウンコとかいう野郎を見れば分かると思うが、アンタを殺すのは容易だ。分かったなら首を縦に振れ。」

 俺の手に雫が当たる。彼女は恐怖から涙を流していた。目は真っ赤に充血して身体が強張っている。そして呼吸は明らかに早くなり始め、口に手を当てている俺にもはっきりと分かった。
 彼女は今まで自分を犯していた男を横目で見る。得体の知れない男に口を押えられた状態、あんなケダモノでも情を交わした相手なのでもしかすると助けてくれるかもと考えたのかもしれない。
 だが当のケダモノは白目を剥いて倒れ、弱々しく痙攣しており明らかに危険な状態。彼女は小刻みに何度も首を振った。
 それを見て押えていた手を離してやり、彼女が身を捩って逃げようとしたため、寝台に足を乗せて身を乗り出すような体勢を取って口を押えていたのをやめて寝台から足を降ろす。

 寝台の前に立つと彼女の全身が目に入る。虚ろだが明確に俺に対しての怯えを孕んだ目を向ける10代か20代辺りの若くかわいらしい娘。
 彼女は恐怖から身体が小刻みに震えていて、今自分があられもない姿であることもほとんど忘れて、身体を隠すことなく居る。脚は膝を頂点に三角に曲げていて、膝は身体の外側に開いており大事な部分は全く隠れていなかった。

 彼女の秘部はまるでかわいらしい花が満開になったかのように開かれ、その花はかわいい薄桃色の花びらをつけている。だがその花からは男の少し黄ばんだ精がドロリと流れ出ており、その景観を汚していた。

 彼女の髪は甘い栗色の長い髪。平素はきっと彼女のかわいらしい容姿に似合った軽く柔らかで甘い髪なのだろう。だが今はケダモノとの激しい行為でボサボサに乱されている。

 一糸も纏わぬ彼女の身体は非常に美しかった。柔らかそうで滑らかな素肌は一見しただけで分かり、身体には傷一つない。なだらかな曲線を描いた体つきで、非常に豊かな胸をしているが、今の沈んだ彼女の状態を表しているかのように先端は垂れさがっている。その先端部の色付きは大きくそしてぷっくりと膨らみ、その先に丸っこいかわいらしい先端部があった。

 俺は初めて見る女性のそういった姿に不覚にも劣情を抱いてしまった。今は怯えて慈悲を懇願することしかできないか弱い女性相手にだ。さっき彼女の艶やかな声を聞いてしまったからだろうか?
 何にしても俺はこの邪念を必死に振り払おうとした。俺は違う。今ここに転がっているケダモノ共とは違う。俺はケダモノじゃない。俺は違う。違う。そうさ俺はそのためにここに来たんだ。ケダモノ共を全員地獄に送ってやるために。

「とりあえず服を着るといい」
「あ、ありません」
「無い?」
「私は苗床ですので服は必要ないのです」
「……ッ。じゃあそれでいい。寒いだろ?」
「は、はい……」

 俺は邪念を振り払った後にともかく服を着るようにと言った。だが彼女たちは服を与えられていないらしい。理由は苗床に服は必要ないからとのことだ。
 涙を流しながらも淡々と答える彼女。今の彼女の気持ちが一体どれほどのものか俺には分からない。いや、真に他人の気持ちを完全に理解できる日など一生来ないかもしれないが、俺が今までに会った虐げられた者たちとは明らかに異質。外に放り出された者と中に閉じ込められた者の違いなのか?

 だが今分かったことが1つだけあった。彼女の姿形が綺麗な理由だ。これは能力者のために女の手入れは入念にされているからだと。彼女らのためではない。今の能力者の士気高揚と将来の能力者のため。
 俺はあまりの胸糞の悪さに、倒れているインウントの背中を思わずぶん殴っていた。

 服が無いのなら敷布で構わないから身体を隠すといいと言うと、想定に無かった言葉のようで戸惑いながらも彼女は敷布を被って身体を隠した。

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