15
それから3ヵ月後が過ぎた頃。
暑い日差しが続く7月の季節になった。
私は、その事を気づかずに普段の生活を過ごしていた。
日常で変わったことは、新しい家族が増えたことぐらいだ。
「あ、飲んでる、飲んでる~」
私は、朝食を食べてる途中にキラ君を覗いた。
ルイに哺乳瓶でミルクを飲ませてもらっていた。
その姿が凄く可愛いらしい……。
前は、黒髪のオッドアイだったキラ君だが、現在
キラキラした白銀になっていた。
目の色は、オッドアイのままだが、こちらから見て左目が碧眼で右目が黄色い。
片目が赤から青に変化していた。
記憶の方もルイの話だと、そのまま残っているらしい。
つまりは、私と同じ状態らしい。
それを聞いて凄く嬉しかった。
もう少し大きくなれば、また一緒に遊べるだろう。
あ、名前もそのまま「キラ」にしたんだよ!
私がニコニコしながら見ていると気分を悪くしたのか哺乳瓶を口からはずした。
「あぅ……うぐっ……」
急に喋ろうとしたのか、むせていた。
ルイは、慌てて抱っこすると、背中をポンポンと叩いた。
するとゲップをしていた。
「急に喋ろうとするからですよ」
ルイにそう言われてキラ君は、ムスッとしながら、背中にしがみついていた。
それを見て私は、クスクスと笑ってしまう。
やっぱり可愛いと思ってしまった。
まるで弟が出来た気分だ!
すると横で食べていたシンが
「おい、それより時間は、いいのか?」と聞いてきた。
えっ?と時計を見ると登校時間が過ぎていた。
た、大変。早く出ないと遅刻してしまう。
私は、慌ててご飯を食べると急いで小学校に行く身支度をする。
玄関で靴を履くとルイとシン、そしてルイに抱っこしてもらっているキラ君に元気よく手を振る。
「じゃあ、行ってきまーす!」
「あっ……あう~」
キラ君は、一緒に行きたいのか手足をバタバタさせていた。
それを見てルイは、クスッと微笑んだ。
「大丈夫ですよ。すぐにカレンに追い付きますから。
そうしたら、また一緒に学校に行けばいいのですよ」
そうキラ君に言い聞かしていた。
キラ君は、ムスッと頬を膨らませていた。
そんな彼を知らずに私は、元気に小学校に通うのだった。
END。