02
ハッキリと言えない自分が居た。
そもそも恋愛感情とか経験したことがないし、煌君に対してどう思っているかと言われても。
仲のいい友達だと思っていたし……。
でも他の人とは、また違う感情があるような気もする。
それが何なのか分からないけど……。
「そ、そんなの分からない……」
「なら考え直してみるんだな?
俺達は、お前がしたいと思うのなら反対はしない。
しかし、それでお前が酷い目に遭うのなら黙って見過ごすことは出来ない。
お前は、幼くはあるが、何も分からない訳ではないだろう?それは、覚えておけ」
「……うん。ごめんなさい」
シンの厳しい意見に私は、しゅんと落ち込んだ。
2人は、私のしたいことを見守ってくれてる。
厳しいことを言われたが、すべて私のためだと言うのも理解しているつもりだ。
だからこそ、簡単には言えないし。
その覚悟を私は、重く受け止めないといけない。
その日の夜は、眠れなかった……。
次の日になると私は、学校に向かった。
友達やクラスの子に挨拶をして席に着いた。
しかし時間が過ぎても煌君は、登校して来なかった。
どうしたのかしら?何か遭ったのかな?
代わりの男の先生がクラスに入ってきた。
そして出席を取ってくる。
「妖月煌さんは、怪我をしたため、しばらく休むそうです」
「えっ?怪我をしたって何で!?」
「さぁ……?そのように連絡があったからな」
まさか、怪我をして休むなんて……。
獣族の方で何かあったのかな?
もしかしてクマの男の子や妖精族のことかな?
良くないことばかり考えてしまう。
大丈夫だろうか……?
その事が心配で授業どころではなかった。
学校が終わると私は、そのまま学校を飛び出した。
お見舞いに行きたいが場所も分からないし、危険だ!
しかし何故か秘密基地に居るような気がした。
だから、行って確かめたくなった。