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「ちょっと……待ってよ~」

「……やはり遅いな」

「そういう訳ではないもん……ちょっと遅れただけ。
 もう一回競争しようよ!」

「何回やっても同じだ。まったく……」

 煌君は、呆れながらもまた競争してくれた。
何度走っても煌君には勝てなかった……。
 でも一緒に走ることが出来て嬉しかった。

 私は、息を切らしながらもニコニコと笑う。
すると、その時だった……。

『おやおや、随分と楽しそうだねぇ~?』

 何処からか声が聞こえてきた。
あれ?この声……何処か見覚えがある。
 そうしたら煌君が険しい表情になると舌打ちをする。

「出て来いリズ。そこに居るんだろ?」

 えっ?リズって……!?
するとスッと壁の上から猫が出てきた。
 あ、ロシアンブルーだ。か、可愛い……。
ハッとする。でもリズって……。

 ロシアンブルーの猫は、ピョンッと壁を降りる。
するとポンッと共に姿を変える。
 その姿は、ロシアンブルーから人型になった。
こ、これが人型と獣の時の違いなのね!?

 私は、驚いているとリズって人は、立ち上がるとニヤリと笑う。
 アッシュブルーの長い髪に赤い目をしていた。
濃色のベージュのモッズコートに白のVネック。
 そして薄いベージュのパンツスタイルだった。
お洒落でカッコいいのだが、チャラそう。
 ネックレスとかもしているし……。

 しかし、それよりも何を企んでいるのかしら?
人型の姿は、何だか怖く感じる。
 すると煌君は、私を庇うように前に立った。

「何の用だ?いつもなら何処かに行っていて居ない癖に……」

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