13
ギ、ギクッと肩が震える。
私とシンは、ルイを見るとニコッと微笑んでいた。
ただし言えと圧力をかけているような笑みだったが……。
仕方がなくルイに小さなオオカミの事を話した。
そうしたら、呆れたようにため息を吐いていた。
「何も無かったから良かったですが……。
もし噛まれたり、襲われたらどうする気だったんですか?」
「それぐらい追い払えるぐらいの魔法は、使えるが
ダメなら逃げるさ」
「獣族の足の速さを馬鹿にしてはいけませんよ。
しかもオオカミなんて……肉食であり獣族の皇族ですよ。
何を考えているか分かりませんよ」
獣族の皇族!?
またもや初めて聞く言葉が出てきた。
それって……偉い人ってこと?
「ルイ。それってどういうこと!?
オオカミって……絶滅になりかけている動物よね?
皇族ってどういうことなの?」
私は、興味津々とルイに質問した。
「……確かに表向きは、絶滅とされています。
しかし、それは野生としてではなく人間界と交じり暮らしているからですよ。
人型になれますからね彼らは」
「人間界に交じり!?」
「えぇ……そうです。人間として生活をした方が何かと都合がいいですからね。
他にもそれで生活をしている獣族は、何千人と居ます。
その中でも獣族としてもですが、人間界でもトップを君臨するオオカミ達は、厄介なんです。
獣族の中でも冷酷で狂暴だとも言われていますからね……」
私は、ルイの言葉に余計に驚いてしまった。
そんな怖そうな雰囲気には見えなかった……。
私の見る小さなオオカミは、か弱い感じがして放っておけないと思った。
それは、まだ子供のオオカミで怪我をしていたから?
目を覚ましたあの子は、私を襲ってきたのだろうか?
「とにかく、獣族とは今後一切関わらないようにして下さいよ?
彼らも我々を警戒していると思いますが、何を企んでいるか分かりませんので……」
ルイは、厳しく私にそう言ってきた。
一切関わるな……か。
ルイの言い分も分かるが、本当に関わらないままでいいのだろうか?と疑問に思った。
あの小さなオオカミを思い浮かんでいた……。