12
キョウ様は、それだけ言うともう一度戸を開ける。
すると、どういうことだろうか!?
さっきまで夜になっていたはずの景色は、太陽が見える昼間に逆戻りしていた。
今のは、キョウ様の力のせい?
まるで幻想を見せられたような不思議な気持ちになった。
「私の話は以上じゃ。何か不満があるかえ?」
「いえ……ございません」
キョウ様の圧倒的な力の前でルイだけではなく、キルア様も何も言えなくなってしまった。
私は、驚き過ぎて唖然としていた……。
結局そのまま話が終わり離れの家に帰された。
頭を必死に整理される。
つまりキョウ様は、私を信じて……あえて人間界の学校に行かせると言ってくれたのだろう。
そ、それって……つまり学校に通えるってことだよね?
やっと頭の中が整理が出来ると嬉しさが込み上げてきた。
私は、やったーと飛び上がり喜んだ。
「カレン。まだ喜ぶのは、早いですよ!?
決まったと言っても通う事だけなんですから。
これから必要な物を揃えて、きちんとやれるように練習をしなくては……」
ルイは、行く事を認めたが今度は、通うための心配をし始めた。
どうも彼は、かなりの心配性だ。
母親もそんな感じだったが……。
昔の母を思い出してクスクスと笑う。
チラッとシンは、どうかな?と見たらまだ、真っ青な表情をしていた。
あの言葉が堪えたのだろう。
「あーオオカミの話が出た時、心臓が止まるかと思った……。
だから嫌だったんだ。助けるのは……」
「ごめんなさい……シン」
ちょっと気の毒になった。
私のせいなので申し訳ない気持ちになる。
するとルイは、その言葉に反応してきた。
「オオカミ……?どういうことですか?」