02
「は、はい。一応使うことなら出来ますが……」
「本当!?見せて、見せて」
ルイは、困惑しながらもそう答えてくれた。
なんと、ルイも式神を使えるらしい。初耳だ!
私は、目をキラキラさせながら見たいとせがんだ。
着物の裾をグイグイと引っ張る。
「今からですか?仕方がないですねぇ……」
ちょっと困り顔になっていたが、見せてくれることになった。
自宅に戻ると縁側で披露してくれた。
キョウ様と同じように紙を用意する。
そしてルイは、命を吹き込むように静かに息を吹きかけた。
すると紙が光り出してみるみる内に形に変わっていく。
ルイの式神は、小さなコバエだった……。
「コバエ……?」
「まぁ……そうです。でも周りを見通せるし
小さいので潜入調査とかに役に立つのですよ」
ルイは、恥ずかしそうに頬を赤く染めていた。
これは、式神を作るのが苦手なのか、またまた何か意味があるのだろうか?
不思議そうに目の前に飛んでいるコバエを見ているとシンが戻ってきた。
「ただいま~って、何をやっているんだ?お前ら」
「あ、シン。お帰りなさい。
あのね、ルイに式神を見せてもらったの」
「ルイの式神……?あぁ、あのコバエね。
ルイは、何故か式神にするのが下手だよな」
式神の事を聞いて笑い出すシンだった。
あ、やっぱり苦手なんだ……?
ルイの意外な弱点を知ってしまう。
何でも出来る優等生タイプだと思っていたから驚いた。
ルイは、ちょっと不服そうな表情をするが……。
「苦手ではありませんよ……ちょっと。
想像力が足りないだけです。
それに小さいので潜入調査には最適なんですよ」