総集編2 今からでも間に合う「創世神話(改)」
第2章の駆け足総集編をお送りします。
「創世神話(改)」をまだ読んでいない方も、ちょっと目を通してみていただけると嬉しいです。
既に読んでくださっている方も、復習と、第4章への予習を兼ねてどうぞ。
よろしくお願いします。m(_ _)m
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第二章 憧憬する心は呼び合う
1 憂愁の貴公子
数日後、ストーレの闇に乗じてシルニン・イクルがテムルル・エイグの私室を訪れる。普通なら、年上のシルニンを呼びつけるのは無礼であるが、エイグは喪中で外出できない為、シルニンも仕方ないと思っている。
シルニンは、憂いに沈むエイグから、父テムルル・テイグという後ろ盾を亡くした妹リルデと自分を助けて欲しいと言われる。
シルニンは、今の自分にはそんな力は無いと無力感に襲われるが、エイグは「明日からは違う」と言って、話を切り上げる。
シルニンがクラクラしたのは、エイグが
2 千人街と夜想曲
ウルクストリアの通称千人街でタルギン・シゼルが営む雑貨屋に来たのは、客かと思いきや隣のファアティ。そこへ客が来るが、場違いな客をからかうタルギン・シゼル。次に店に入ってきた男は、妙な雰囲気で懐から光晶石を取り出し、“千人街の蛇穴”とも呼ばれる情報屋でもあるタルギン・シゼルにソルディナ行きの情報を求める。客は、円形闘技場=COROSIAWで地割れに落ちて行方不明となったはずのロウギ・セトだった。
話の末、ソルディナ行きについて商談は成立したが、向かった寂れた居酒屋で、タルギン・シゼルは、ソルディナではなくアスタリアへ行くべきだと、理由と共に話す。蓄音箱から聞こえてきたのは、タルギン・シゼルが注文したシェリンの歌う歌。ロウギ・セトはどうする?
3 偽りの光の中で
アスタリア第二の都市イオラスの、象徴とも言える鉄塔“
シェリンは本番直前になっても現れず、諦めて3人で舞台上に立ち、演奏を始めたマリグ、ギリム、ドルクの前に、
4 陽光の海
ウルクストリアの王宮もあるラダムナ市の港に近いテムルル家所有の倉庫群内で、爆破騒ぎがあった頃、タルギン・シゼルの船はロウギ・セトを乗せて出港する。爆発したのは銀色の球体すなわちロウギ・セトの着陸船で、誰かが不用意に中を探った為に、人気のない時に自爆したらしい。
ロウギ・セトは、円形闘技場=COROSIAWの地割れから助かった理由として、地割れが海に繋がっていたからだと説明する。
ロウギ・セトがソルディナではなくアスタリアへ向かうことにしたのは、シェリンの歌を聞いたからだった。タルギン・シゼルは、ロウギに偽名を書いた偽造身分証と護身用の短銃を渡す。
海に出て、久しぶりの陽光の下、ロウギ・セトは悪夢のようなものを見る。タルギン・シゼルは
月読祭で会った謎の唄歌いが歌っていた語りのような唄を呟くように聞かせると、タルギン・シゼルの態度に異変が。
ロウギ・セトの詰問に、タルギン・シゼルは、その人物の名を「ナーサティア」と言い、会ったことはなく情報として知っているだけだと答えるが、本当そうなのか。
ロウギ・セトは、タルギン・シゼルがナーサティアに会っているに違いないと思う。一体どこで? タルギン・シゼルは何故隠す? (第4章で明らかに)
5 狂科学者の洞窟
バルカンが目を覚ますと、岩肌の露出した洞窟のような場所。そこは狂科学者ドナレオ・ダビルの秘密の研究施設だった。ドナレオ・ダビルは、バルカンが助かった
狂科学者ドナレオ・ダビルは、クリュス島火山が近々噴火すると考えて制御する研究をしていた為、自分のせいで火山が爆発したのではないかと詫びるが、その時現れたテムルル・エイグが、自分がやったと告げる。ロウギ・セトの銀色の球体が爆発したのは、狂科学者ドナレオ・ダビルの好奇心によるものらしかった。
ドナレオ・ダビルは異端思想の為に狂科学者として幽閉されていたが、少年の頃のテムルル・エイグが興味を示し、
バルカンは、狂科学者ドナレオ・ダビルから様々な科学的な話を聞くが、ついに、炎人と海人の混血の怪物とされる自分について尋ねる。
口を開くドナレオ・ダビルは、バルカンに何を語り、バルカンはどう受け止めるのか。(第4章で明らかに)
6 公演前雨
ロウギ・セトとタルギン・シゼルは、予定通りアスタリアの商業都市イオラスに到着し、安全の為に別行動をとる。
タルギン・シゼルは、食事の後で一軒のストーレパラオに入る。そこで目にしたのは、“
捜しに来たマリグに背を向けて歩き出すシェリン。ふと目に留まった花屋で尋ねても、アルジーカもイーラファーンも聞いたことがないという。
ストーレの雨音はなおも激しく。シェリンの心にも雨が降る。
7 マナの力 ― 邂逅 ―
雨の上がるイオラスの港で、「大丈夫よ。ちゃんとやれるわ」と決意してムルルアに発ち、劇場での公演を前に、屋上で気持ちを落ち着けるシェリン。ギイレス・カダムは、「そろそろ時間だ」とだけ伝える。
その劇場には、ロウギ・セトの姿も。劇場の外に居たかと思うと、次の瞬間には劇場内で人々の様子をうかがう。
公演が始まり、熱狂する人々と無心に歌うシェリン。その様子に、ロウギ・セトは、或る事を確信する。公演が終わっても人々の熱気が治まらない中、シェリンの控室の扉を開けるロウギ・セト。鏡に映った見知らぬ誰かに驚いて振り返るシェリン。二人の目が合い、互いに何かを感じるが、ロウギ・セトは、その感覚を振り払ってシェリンを殺害しようとする。それを、シェリンを呼びに来た世話人ギイレス・カダムに
目撃され、タルギン・シゼルに渡された短銃を向けるが、その短銃を一発の弾丸が弾き飛ばす。入り口に立っていたのはタルギン・シゼル。タルギン・シゼルはロウギ・セトに銃口を向け、床に落ちた短銃をギイレス・カダムが拾い上げて、同じくロウギ・セトを狙う。
手にした短銃が暴発したギイレス・カダムは、床の上で気を失っていたシェリンに覆いかぶさるように床に倒れ、ロウギ・セトは、タルギン・シゼルの放った弾丸を肩に受けて瞬間移動で逃亡する。
瞬間移動した先には、ナーサティアが待っていた。全てを見通すかのようなナーサティア。ナーサティアは、エントロピー増大による宇宙の消滅を阻止するためにシェリンの持つ“マナ”の力が必要だと言い、ロウギ・セトを、どことも知れない宇宙空間へと追いやった。
8 激震
アスタリアのサウサル城主の館では、トルキルが目を覚ます。旧友である二人は再会を喜ぶが、トルキルは、サウサルに危険が及ぶと考え、すぐにも去ろうとする。
押しとどめるサウサル。聞けば、サウサルの元にトルキルを送り届けたのは、若き日のトルキルが遊学した際にまだ少年で共をしていたダムセル・ダオルだという。そして、トルキルを託してダムセル・ダオルは姿を消したと。(ダムセル・ダオルが姿を消した理由は第4章で明らかに)
若き日のトルキルは、遊学の旅でサウサルと出会い、アリダと言う名の気弱な娘にも出会って恋をしたが、自分の不甲斐なさからアリダを失ってしまった。それがトルキルの深い悔い。サウサルにも悔いがあった。港で見かけた女がアリダに似ていると思い、花街にその女を尋ねたが、後に自害したらしいこと。
サウサル城主の元で、事態の把握と活路の模索をするトルキル。しかし、屈辱を晴らすべく返り咲いたジグドル・ダザルが踏み込み、館はウルクストリアの憲兵隊に包囲されていた。
一方、“
そこへ、(“
舞台に立って演奏が始まろうとしたその時、“
否定するシェリンを、ジグドル・ダザルの振り上げた神経銃が襲い、床にたたきつけられたシェリンは気を失った。
どうなる、トルキル、そして、シェリン。
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第2章の内容の駆け足総集編。駆け足なので大事な部分も全ては書けませんが、おおよそはご理解いただけたでしょうか。
( )内の注釈の通り、第4章で明らかになることも多いので、第4章もご期待くださいね。
第2章では、ロウギ・セトは何処とも知れぬ宇宙空間へと飛ばされ、シェリンは執念のジグドル・ダザルの毒蛾に。
絶体絶命の二人の運命は、第3章をどうぞ。
次回は、第3章の駆け足総集編です。