総集編1 今からでも間に合う「創世神話(改)」
第3章まで終了し、いよいよ怒涛のクライマックス第4章へと雪崩れ込む「創世神話(改)」。一刻も早く第4章を公開したいけれど、そこを我慢しての出血大奉仕総集編です。総集編1~3と、登場人物編、用語・地名編、詩歌編の全6回を2~3日で公開する予定です。書籍では無理だけど、web版なればこそ。
「最初は読んでいたけれど挫折してしまった……」という貴方、今まで読んでないから今更ねぇ、という貴方にも、第4章を読んでもらいたい。
本当は、今からでも序章から読んで頂けると嬉しいのですが、時間的に無理(^_^;)とか、ちょっと難しそうで無理(>_<)という方へ贈る、序章から第3章までの駆け足総集編。
ただ、総集編では、張り巡らされた伏線や謎が少しずつ明かされていく面白さは味わえないので、この総集編を読んで物語の概要がつかめたら、序章から全話を読んで頂けると、作者としては非常に有難いので、どうぞよろしくお願いします。m(_ _)m
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光無く闇無く時間無く言葉無かりき
只一つ“ヌ”のみ在りき
“ヌ”の息吹、そこに“ナム”を生み出しぬ
其は燃ゆる瑠璃の如く清らなりしも
ナーヤとマーラせめぎ合い
え定まらざる存在なり
デュ=アルガンのマナーラの奥深く
ナーサティアに守らせけり
光と闇とを分かちて全てを呑み込みぬ……
※ これは、或る惑星にかつて存在した遺跡の古い石碑に刻まれた言葉。
意味は、「第3章 5 アルティマの海(Ⅱ)」を読むと、おおよそ分かります。
序章
深淵なる宇宙をひっそりと過っていく宇宙船の中で、端正な容姿のリース・イルリヤは人工冬眠から目を覚ます。しかし、宇宙移民船ホープ号の妨害工作をするつもりだったリース・イルリヤは、自分が行うはずだった以上の妨害が既に行われていることを知る。
その上、他の乗員から疑いの目を向けられたリース・イルリヤは、これ以上船に留まる意味は無いと、小型探査艇での脱出を試みる。
宇宙移民船ホープ号内では、人工知能PAMERA の失われた情報を採取するために、人工冬眠中の移民の中から専門知識を持つ
第3惑星への調査目的でホープ号から出発したリース・イルリヤの搭乗する小型宇宙艇は、地上に向かうことなく、加速を続ける。
リース・イルリヤの、そして、
第一章 孤独な魂はさすらう
1 月読祭の夜
それまでの黒雨が止み、宗主国ウルクストリアの聖なるラヴィア島では
ある目的をもって他惑星からエラーラを訪れたロウギ・セトは、自分に精神攻撃を仕掛ける謎の唄歌い― 長い銀の髪と赤銅色の肌と朱金の瞳をもつ ―と遭遇する。その唄歌いは、謎の言葉を残して去るが、ロウギ・セトは、
2 夢の中の唄
夢の中で誰かを捜す彼女。呼ぶべき名前が分からない。思い出しかけたのは、どこか懐かしい言葉と旋律の唄。それを声に出そうとして、彼女は目が覚める。
「シェリン」と名を呼んで部屋の扉を開けたのは、幼い頃のシェリンを拾ったギイレス・カダム。ストーレの闇の昼の店で歌うのが彼女の仕事。ギイレス・カダムはその世話人。
二人は、いつものように店に向かうが、シェリンが花街生まれで母親を殺して逃げたのだという噂により、アスタリアのタレスの港町では、もうどこの店でも歌えなくなった。
店を去り際になぜか渡された深紅の月下蘭。その鮮やかな色が、血に染まって死んだシェリンの母の姿をよみがえらせ、シェリンは言葉を失う。
ギイレス・カダムは、シェリンに言う。アスタリア随一の商業都市イオラスへ行き、貴族をも
心の奥底に眠る思い出せない唄を胸に、シェリンは旅立つ決意をする。
3 謁見
ロウギ・セトは、惑星エラーラの宗主国ウルクストリアの宗主に謁見する。仰々しい挨拶の言葉を述べた後、宇宙連盟について詳細に語り、交易を持ち掛けるロウギ・セトだが、そこで浮き彫りになったのは、ロウギ・セトの身元を預かるトルキル
宗主の信頼厚いテムルル・テイグの、トルキル大連を貶めようという考えで、ロウギ・セトは憲兵隊に捕らえられる。危うし、ロウギ・セト&トルキル大連。
4 ストーレ・パラオ
舞台は再びアスタリア。若者達が集うピアレンの繁華街の小さなストーレ・パラオ“
そこに客として来ていた強気な娘が、マリグに強烈な印象を残す。
店を出た“
5 翡翠鳥の館
父親の丞相テムルル・テイグは議定長の息女との縁談を進めているが、妹で現宗主の次妃でもあるリルデは気に入らない。テムルル・テイグの後妻でエイグの義母であるレリデの真意もまた謎。レリデは、財力によって自分と婚約者を引き裂いたテムルル・テイグを憎んでいた。
エイグは見合いをドタキャンし、婆娑羅族とともに何処かへ。どうやら、水面下で婆娑羅族に色々命じているらしい。キーワードは「銀色の球体」「狂科学者」「例の娘」「父テイグの部屋から拝借」など。何を企んでいる?
6 エルディナの月
主人公ロウギ・セトは、トルキル大連と共に、トルキル大公家の水上船の甲板の上。憲兵隊の水上艦に曳航されて何処かに向かっている。ある条件の下でロウギ・セトに恩赦を下すという処分だったが、その条件が知らされていない。
疲れた様子のトルキルと共に
トルキルの
船はやがて水門を越えて海へと抜け、目的地が、重罪人が恩赦を懸けて死闘を演じる円形闘技場=COROSIAWであるらしいことが分かる。
主人公ロウギ・セトの運命や如何に。
7 涙の理由
空には黒雲が沸いてストーレが降り始める時間帯。
ギイレス・カダムは、3人に、シェリンと組んで“
マリグは繁華街でシェリンを見つけ、好きだと告白するが、シェリンは再び逃げ去る。
ストーレが止んで月が明るく照らす頃、シェリンは倉庫の床の上で頬を涙に濡らして眠っていた。
8 円形闘技場=COROSIAW
不気味な黒雲に覆われた赤い島クリュス島の円形闘技場=COROSIAWに到着すると、トルキルとダムセル・ダオルは仮面を付けるよう促され、連行されるロウギ・セトとは別行動に。
やがて始まった死闘で現れたのは、炎人と海人の混血にして殺戮の蛮人、その名も殺人鬼バルカン。そして対戦相手のロウギ・セト。巨蛮人バルカンはどうやら薬漬けで自己を失っている様子だが、ロウギ・セトは攻撃を縦横無尽にかわして両者互角。
一方、死闘を見守るしかなかったトルキルとダムセル・ダオルは、見張りの憲兵が激闘に夢中になっている隙に逃亡を図るが、身を隠した垂れ幕の向こうに頭から血を流した
ロウギ・セトと巨蛮人バルカンの死闘は続いている。ロウギ・セトの意識に流れ込んでくる巨蛮人バルカンの無意識下の声。
その時、クリュス島の火山が大噴火。円形闘技場=COROSIAWは真っ二つに割れ、ロウギ・セトと巨蛮人バルカンは地割れに墜落する。
トルキルとダムセル・ダオル、そして、ロウギ・セトと巨蛮人バルカンの運命は如何に。
続きは、総集編2をどうぞ。