セブンさんはナナさん
「あの、マスターって?」
「マスターのことです」
なるほど。これは、あれかな。
「俺がセブンさんの名前を当てたから、マスターってことね」
「ご名答」
なるほど。
「ですが、できれば日本語名で呼んでもらえば嬉しいです」
ほう。
「ナナさん」
「はい」
本当はナナさんなのね。まあ、どう見ても黒髪黒目の日本人だもんな。平仮名で「なな」なのか「七菜」とかなのかは分からんけど。
「俺は何人目?」
「3人目です」
「前の2人はナナさんの名前を当てれなかったと」
「そうです」
「俺がナナさんをセブンと呼んだから、赤い玉をくれた」
「はい」
おいおい、名前を当てたら死亡確率99%のデスゲームって、どんなご褒美プレイだよ。正確には名前を当ててないけども。
「マスター、私の事はナナとお呼びください」
うん。
「ナナ」
「はい」
何か嬉しいような恥ずかしいような。しかし、セブン、ナナか。
「俺がテストされたのは、マイナンバーだね」
「はい」
やはり。
「1人目は通帳残高が77,777,773円の人でした」
「それは中々のゾロ目だね」
「はい。2人目は1977年7月7日に生まれ、7冠王、永世7冠、現在も7つのタイトル保持者でしたね」
「それは有名人だね」
「そのようですね」
将棋の凄く強い人だよね、流石の俺でも知ってるし。
「では、ウサギ島へ案内します」
「うん、よろしく」
ウサギ島?
「流石です、ウサギ島もご存知とは」
「瀬戸内海に浮かぶ綺麗な島だ」
知らんけど。
「本当に綺麗な島ですよね」
「うん」
本当に瀬戸内海の島なんだね。
「前マスターの奥様が好きだった島です」
「うん」
「奥様が子供の頃、家族全員で漁師だった父親の船に乗り、その島に行って遊んでいたとか」
「そうらしいね」
知らんけど。
「奥さんのナナさんも、ナナそっくりな美人だったよね」
知らんけど。
「もう、マスター。そんなご冗談を。私は奥様そっくりのアンドロイドですから、当たり前です」
「うん」
なるほど、アンドロイドね。
……は?