2人の旅立ち{改済}
要はバルロスから 、龍の里への行き方を教えてもらっていた。
「バルロス。行き方は分かった。だけど、そこまで行くにしても。やっぱ、このままの姿じゃ……」
「うむ、確かにな。なにかいい方法があればいいのだが」
バルロスと要は考えている。
「流石に今更、城には戻れないしなぁ。バルロス。……ん〜どこか一時的に隠れる場所ってないのか?」
「要、隠れてどうするつもりだ?」
「涼香が隠れてる間に、俺が街で服とかを調達してくる」
「ふむ。隠れる場所か……。あるのはあるが。その前に、お前は金を持っているのか?」
「あっ!そうだった。ハァ。じゃ、どうしたらいいんだよ」
「まったく方法がないわけではない。ただな……」
「バルロス。方法ってなんだ?」
「うむ、それはな。野宿をしながら、裏街道を行く方法なのだが。ただ要。お前が納得したとしても。涼香がそれで納得すると思うか?」
「ん〜。でも、それしか方法はないよな。涼香は、なんとか俺が説得してみる」
「ふむ。それしかないだろうな。では、そろそろ涼香と入れ代わった方が良さそうだ。要、あとは頼んだぞ」
そう言うと涼香の表情が一変した。
涼香は先程までは泣いていたが、今は泣きやんでいる。
「要。バルロスと話していたことなんだけどね」
「涼香、聞いてたのか。それなら、俺が言いたいことは分かるよな?」
「うん。野宿は嫌だけど……。でも、この姿で人前に出るのは嫌だし。私、我慢する。てか要、ごめんね」
「なんで謝るんだ?お前は、そうなりたくてなったんじゃないだろう」
「そうだけど……。もし、帰る方法が分かっても。これじゃ元の世界に帰れないし。要もしさ。帰る方法が分かったら、1人で帰っていいよ」
そう言うと、涼香は寂しそうに俯いた。それを見た要は涼香の頭に手を軽く乗せ、ポンっと叩いた。
「たくお前なぁ。らしくない事、言ってんじゃねぇよ。さてと、そろそろ行かないとな」
「うん。そうだね。ここにいても仕方ないもんね」
そう言うと涼香と要は、その場から離れ龍の里に向かった。
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ボンゼルはその様子を物陰から見ていた。
涼香がバルロスを吸収し力を放つ直前に、ボンゼルはとっさに危ないと思いその場を離れため助かっていた。
そして、涼香たちのことが気になり様子を見に来ていたのだ。
「ふむ。まさか、あの龍神バルロスを吸収し同化してしまうとはな。これは、急ぎ王にお伝えしなくては」
そう言うとボンゼルは、その場を離れファストル城に向かった。