03
私は、手早く野菜やえのき茸などを切ると土鍋にスープになる材料を入れて中火で熱した。
そして煮立ったら、カニと野菜などを入れて蓋をして8分程煮て完成だ!
鍋の作り方は、それぞれのやり方がある。
ポン酢と大根おろしで食べる鍋も最高だが今回は、このやり方にした。
さて、問題は……これからだ。
やはりそれとなく結婚の話を出すには、どうしたらいいのだろうか?
唐突だと私が結婚に焦っているみたいで嫌だし、去年結婚した友人の話でもした方がいいのだろうか?
いや、それも……わざとらしいかしら?
どう言って切り出すか悩んでいると課長の方から
「宮下。今度の日曜予定あるか?」と聞いてきた。
「日曜日?いえ……予定とかありませんけど?」
「そうか。なら今度の日曜日に俺の実家に来ないか?」
じ、実家ですか!?
またなんで、そんなハードルの高い場所に?
思いがけない場所のお誘いが……。
えっ?まさか結婚の報告!?
「実家は、すぐ近くで両親は、兄貴と同居しているのだが、お前の事を話したら会いたいと言ってきたんだ。
紹介もしたいし、いい機会だろう」
「あの……私を紹介して大丈夫なんでしょうか?」
「構わん。どのみち結婚報告も兼ねて行くつまりだったし。丁度いいだろう」
課長は、平然とそう言ってきた。
私と結婚するつもりで紹介してくれるんだ?
まさかの予想が当たってしまい、そっちの方でも驚いてしまった。
ちゃんと私の将来を考えてくれていた。
「分かりました」
だったら両親に気に入ってもらえるように頑張らなくては……。
改めて課長との結婚を考え始めた。
そうなると色々と準備をしなくてはならない。
私は、持って行く手土産を考える。
それに美希と真美子にどうやって挨拶をしたらいいかアドバイスをもらったりした。
なるべく恥をかかないようにするために……。
多分これで、大丈夫なはずだ!
私は、何度も予行練習してその日に備えた。
そして、いよいよ明日は、実家に行く日を迎えることになった……。
そわそわしては、仕事も落ち着かない。
何度も台詞をチェックしていると事務室のドアがノックされる。
「はい。どうぞ」