バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

02


 それを反論が出来ない……。結婚か。
今までそんな事を考えて来なかったので、何をどうしたらいいか分からない。
 課長は、私と結婚のプロポーズまで考えていたぐらいだけど……今は、どうなのだろう?
 すると美希は、苦笑いしながら……。

「課長に相談してみたら?
 もしかしたら違う考えがあるかも知れないわよ。
やるにしても資金や日取りとかあるし」と言ってきた。

「……うん」

 確かに課長に言わないと何も始まらない。
それとなく聞いて見なくちゃあ……。

 そう思っていたら食事が終わり帰る頃に課長から連絡があった。
 明日自宅で鍋をするからどうだ?と……。
もちろん私は、承諾する。
 あんなに嫌がっていたのに、今は、素直に嬉しいと思えるのは、恋の力だろう。
 あの課長相手にもだ!
恋の力は、恐るべし……。そんな風に思っていた。

 そし待ちに待った次の日の夜。
私は、待ち合わせしていた駅で待っていた。
 寒いと思いながら待っていると少し遅れて課長が現れた。

「悪い……遅くなった」

「あ、いえ……大丈夫です。
私も今来たばかりなので……」

「そうか。なら行こう」

 本当は、寒かったけど……と思いながらも
課長と一緒に近くのスーパーに立ち寄った。
 鍋の材料を買ってか、課長の自宅にお邪魔した。
 どうやら実家から蟹が届いたらしい。
蟹鍋とは、また豪勢で美味しそうだ!

 自宅に着くと私は、キッチンに向かい料理を担当する。
こうやってしているとまるで新婚みたいだ。
 今まで課長と結婚することや付き合うことすら考えもしなかったので、不思議な気分だ。
 だから、もし結婚なんかしたら私達は、どうなるのだろう?と余計に意識をしてしまう。

「宮下、俺も手伝おうか?」

「あ、いいえ。すぐに出来るので大丈夫です」

 慌てて否定をする。さすがに課長に手伝わせる訳にはいかない。
 それにお鍋なので野菜や材料を切って煮込むだけだから意外と早く出来てしまう。

しおり