10
「婚活パーティーでたまに会うんだ。同じ会員だから」
課長が代わりに説明をしてくれた。
言っちゃうんだ……そのこと?
普通に話してしまう課長に驚いた。
「えっー!?不知火君婚活してるの?
意外……そういうのに興味ないと思っていたわ」
「変ですか?俺だって……もう40過ぎてますし。
まぁこれは、兄貴に勧められたから入ったのですが……」
えっ……そうなんだ?課長にお兄さんが居るんだ?
あ、それもそうか。裕太君の叔父さんだし。
どんな人なのだろうか?やっぱり似ているのかしら?
「へぇー不知火君も結婚に前向きだったのね。
いいわねぇ~楽しそうで。私も参加してみようかしら」
は……はい!?今……なんて言いました?
「沙夜先輩なら、婚活しなくてもすぐに相手が見つかるんじゃないですか?」
「あら、それがなかなか難しいのよ。
年も年だし。忙しいせいもあって出会いとかしている
暇もなくて……それに。
さすがに離婚をずっと引きずっている訳にもいかないしね。
両親も孫って、うるさいのよねぇ~年とか考えてほしいわ」
「あ、それは……俺も言われます。
それこそ意外ですね。沙夜先輩みたいな人がそういう事に悩むなんて」
「あら、意外と馬鹿にしてるの?」
そう言いながら楽しそうに笑う2人だった。
ちょっと……だから私を蚊帳の外にしないで下さいよ!?
あまりにも楽しそうに話すので余計にムカついてしまった。
その間にも降りる駅になった。
駅から少し歩いたところに課長の住んでいるマンションが見えてきた。二度目の課長宅だ。
一度は、寝てしまい運んで貰ったので覚えていなかったけど課長の住んでいるマンションは、立派だ。
”課長“ってこんなにも収入いいんだ?
家賃が高そうな高級マンションだ。