伝説‥1話〜神殿の祭壇{改}【挿絵】
ここはオパール城より、遥か南東に位置する場所にある、神殿の祭壇。
神殿の祭壇に着くとアリーシアは、魔導書を読み直し確認した後、祭壇に魔法陣を描き呪文を唱えた。
すると、青白く眩い光が魔法陣から放たれ、天まで届くほどに広がり、その光は周囲を埋め尽くした。
そしてアリーシアは1人の青年の召喚に成功した。
【挿絵:もけもけこけこ様作】
そうこの物語の1人目の主人公リュウキ、本名、
リュウキは何が起きたのか分からず呆然と立っていた。
(確か俺は、ゲームをしようとしてたんだよな?それに……)
そうゲームにログインした瞬間、画面が光だし気づいた時にはここに立っていたのだ。
「ここは、いったい何処だ?」
「あのぉ。つかぬ事をお聞きしますが、あなたは異世界の人なのでしょうか?」
そう言われリュウキは、我に返りアリーシアを見た。
「恐らく、そうなんじゃないのか」
「あ〜よかった。成功しなかったら、どうしようかと思ったんだよね。それに、敬語って疲れるんだけど」
そう言うとアリーシアは、そのまま地面に座り込んだ。
「それで、何で俺を召喚した?」
「あっ!そうだった。それはね……本当のこと言うと、特別な理由はないんだよねぇ」
「理由がない!?嘘だろう……ありえねぇ〜!」
そう言うとリュウキは、うな垂れる様に地面に座り込み、アリーシアを睨んだ。
「もしかして怒ってます?」
「当たり前だ!何が悲しくて、理由もなく召喚されなきゃならない!!」
「あ〜確かにそだねぇ。でも、魔導師学園には、来て欲しいんだけどなぁ。ダメかなぁ?」
そう言われリュウキは深い溜息をついた。
「まぁ、今の所どうしたらいいか分からねぇ。それに下手に動くよりは、ついて行った方がいいだろうしな。そういえば、元の世界に戻る方法ってあるのか?」
「どうなのかな?私は分かんない。……魔導書に書いてあったかなぁ?」
アリーシアはそう言い、バッグの中から魔導書を取り出し読み始めた。
(たく、なんなんだ?これで戻れないとなったら、俺は一生ここで暮らすのかよ。まぁ、ここが元いた世界よりも住みやすければ別だが……)
そう思っていると、アリーシアは読み終え魔導書を閉じた。
「ごめんなさい。この魔導書には、書いてないみたい。でも、もしかしたら学園に行けば、何か分かるかも」
「そうだな。そんじゃ、その魔導師学園に案内してもらおうか」
リュウキがそう言うと、アリーシアはある事に気づき、
「そういえば、名前聞いてなかったね?因みに、私はアリーシア・ホワイトです」
「ああ。俺は……」
と言いかけたが、自分の目の前にステータス画面がある事に気づいた。
(これって、ステータス画面!?どういう事なんだ?)
リュウキはそう思ったが、この事については後で確認することにした。
そしてリュウキは、ステータス画面に書かれている名前を言った。
「……リュウキだ!よろしくな」
「ふぅ〜んリュウキかぁ。それじゃ、よろしくねぇ」
アリーシアがそう言うと、2人は神殿の祭壇を後にし魔導師学園へと向かった。
……そしてここから伝説となる物語が始まる。