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夢を見るような思いでアレックスは国王陛下の前で優雅にカテーシーをする女性を見つめる。

やっと会えた・・・胸がいっぱいで熱くなる。

兄の王太子、王太子妃と続いて自分の前に立った彼の人に、アレックスはなんとか落ち着いたにこやかな笑みを浮かべた。

クリスティアン・アレクサンダー殿下にございます、と補佐官が自分の名を告げると、【ハロルド】はやや緊張気味ながらも笑みを浮かべて「お招きに感謝申し上げます」と礼をとった。

「ああ、お会いできるのを楽しみにしてたんだ」とやや前のめり気味に、出された彼女の手をギュッと握りしめてしまうと、目の前の探し人は明らかにギョッとしたように動揺する。

「おいおい、クリス、無礼だぞ」と王太子が
温い目つきで弟を諌めると、さすがにと思いアレックスは渋々手を離した。

「ミス・ハロルド、大変失礼した。自分は軍人なので貴女の写真に深い感銘を受けていて、つい・・・」

そういうと【ハロルド】は今度は頬を緩めてふわりと微笑んだ。

「光栄に存じます。クリスティアン殿下」

その微笑みに胸がドキリと鳴ったのをアレックスは自覚していた。

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