ショートストーリー

人生とは、物語である。
命の限りを尽くし、苦悩と喜びが入り混じった自分なりの物語を、人は創る。それが太くて短いものだろうと、あるいは長くて細いものだろうと、それぞれのオリジナルの物語だ。
幾億の地球の歴史の中で、幾億ものストーリーが存在する。そんな中で、誰にも気付かれずにほっそりと物語を終える者も、決して少なくはない。
そして、柚も、あまりに短く、あまりに細い物語しか描くことの出来なかったうちの1人だ。
人の命は儚い。儚くて、脆い。
大切なのは儚くて脆い1度きりの人生を、どう生きるかなのだ。