46話〜サアヤと魔弾銃
そうそのちょうど数分前の事。
カトレアとブラットとサアヤは、ビスカとコトネの喧嘩を止めに、ガルド達がいるティールの街の外に来ていた。
ビスカとコトネの喧嘩は更にエスカレートしていた。
そして、ビスカがコトネ目掛け、魔法を放ったのを見たサアヤは、すかさず魔弾銃を両手で握り、
「ちょ、ちょっと。これは、どうなっているの?この状況は……」
既にビスカが放った魔法で、空には暗雲が現れていて、そこから岩石が無数にコトネ目掛け落ちてきていた。
サアヤはそれを見ると、すかさずその魔弾銃をビスカが放った魔法に標準を合わせ、
《ビッグウォーター バレット ショット!!》
魔弾を放つと、数発の魔弾が暗雲と岩石に当たり、かき消し破壊した。
それを見たビスカは驚き、その魔弾銃が放たれた方を見るとカトレア達がそこにいた。
……そして。
ビスカは、カトレアとブラットとサアヤの所に歩み寄った。
「んー……今のは、どう見てもカトレアの攻撃じゃないわよね?それで、この2人は誰なのかな?」
「サアヤのおかげで何とか大事に至らずに済みました」
「良かった。とりあえず間に合って。あっ、そうそう、私は、サアヤ=ワーズです」
「ふ〜ん、魔弾銃とは珍しいわね。それに、その魔弾銃なんだけど?もしかして、この世界に数少ないと言われている物じゃないの?」
「はい、よく分かりましたね。これは、亡き父が最後に、私の為だけに作ってくれた物です」
「ふ〜ん。そっか、サアヤは伝説の魔法武器の名匠ラディスの娘だったのね」
そこにガルドが来て、
「なるほどな。スカイネーブルの出身とは聞いていたが。まさか、あのラディスの娘だったとはな」
「はい。実は、ガルド様の事は父から聞いていました」
「そうか。だが、ラディスは、何で死んだんだ?」
「それは私にも、よく分からないのですが。約10年前、私が家に帰って来ると、父は工房で何者かに刺されて死んでいました」
「まさか、あのラディスが刺されて死んでいた……油断していたのか?もしくは、かなりの相手だったのか?」
「レフィカル。恐らく、そうだろうな。ただ、言えるのは、ラディスが何らかの理由で何者かに刺された。そういえば、サアヤいつからなんだ?スカイネーブルに異変が起きたのは?」
「あれは、父が亡くなった年の丁度1年後ぐらいだったはずですが?」
「そうか、なるほどな。サアヤ、その異変が何か詳しく教えくれないか?」
サアヤは頷き、何が今スカイネーブルで起きているのかを話し始めたのだった…。