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6人

 黒く塗りつぶされた場所に、白く周りに囲まれた死んだ筈の人達がいた。累はこの場所は何処なのか全く分からないでいた。

 「コレで6人目」
「誰が残ってるんだろうね」

 累は辺りを見廻して咲に話しかけるが何を話して良いのか分からず「いや、ちょっと混乱してるから後でに」と良い心を落ち着かせようとした。しかし、誰も喋っていなかったので、何故か一人がデスゲームの事をいきなり語り出した。共通の話題だと思ったのか分からないが、半数がその話題選びに内心引いていた。累も引いていた。

 「何が有ったのか意味わからなかったよね、強い風? 来たかと思ったギリギリ意識あったのに、いつの間にか暗くなったから」
「僕はあの時に死んだけど、能力?」
「どうやらそうらしいんだよね、再生ってあったと思うから、再生の仕方は知らないけど」

 再生か、もしあったらあの攻撃で死ななかったかもな、上と下で分かれたけど。その場合はどうなるんだ? いや、考えた所で生き返る訳じゃ無いから別に良いか。

「君たちは?」
「私もいつの間にか……」
「俺は相討ち、だと思う」
「私は殺された」

やっぱりか、実際俺は咲の死体見たからな、ちょっとキレてた、いや相当キレてたと思うな、とにかく犯人殺したかったし、見つからなかったからって言うのも有るけど、クソ主催者に怒りの矛先向けてるし、ソレ抜きにしても最初から一発は殴りたいと思ってたし。と言うかこのクソ刑事の友達? 他に何か話題無かったのか。

「危険分子だからしょうがない」

この言葉が累の逆鱗に触れた。

「危険分子じゃない、少し情緒が不安定なだけだクソ警官」

相変わらずだなコイツ、アイツ共々「もっと良い方法があった」と言うが、その時にはその手段しか無かったって言うの分かんねぇかな、部外者が終わった事を他に他にって。その場に居合わせてから言えよ。俺の所なんか母さん殺されるかも知れなかったって言うのにコイツらは‼︎‼︎

「相変わらずの口の聞き方だね、伊上 咲は自分の両親殺してるんだ、もっと他にいい方法があったかも知れないのに、両親を殺した事で気に食わない人間を他にも殺す様になる可能性もある、ソレに、君が刺されてるのを見たって言う人も居るんだぞ」
「殺人はお前らが手遅れだっただけだろ殺すぞ、後テメェらが見逃してたからこうなってたんだろ、自分達の無能さ棚に上げてんじゃねぇぞ、後咲は何も悪くない、環境が悪かった。只それだけだ、ソレと得体も知れない奴を排除しようとして何が悪い、元々俺が勝手に一緒に逃げようって唆して勝手に連れ去ったんだ、だから刺されようが文句は言えない」
「その話、詳しく聞かせてもらおうか」
「やってみろ、ただし、勝ったらな」
「はいはいその辺に、死人同士仲良くしようよ、市井も落ち着いて、コッチはまだ子供なんだから、後君も見てないで喧嘩止めなよ、黒川君」
「喧嘩は勝手にやらせといた方が良いと思うよ、止めるだけ労力無駄だと思うし、一回本当に喧嘩して仲を深めた方が良いと思うなぁ、僕は」

 ん? アイツ確か。

 「俺が殺した奴か、確か、悪魔の」
「正解、でも謝らないでいいよ、僕だって君殺そうとしたからさ」
「話聞こうとしただけで襲いかかってくるのは正直無しだろ」
「だって僕も混乱してたから、ほら、例の、あったでしょ、誰かが誰かを操って殺そうとするの、辺り一面更地の後に起こってたみたいでさ、だから怖くて怖くて」

 理由は分からないでもない、あの混乱してる状況でもし同時多発的に起こっていたなら、やっぱりやったのクソ主催者か? 咲だって俺がちょっと離れてるってだけで、そんなのやる理由なんて無いしな、コイツは前々から思ってたが何か胡散臭い。クソ親父と近い様な臭いはするから何か被ってるんだろうが、剥がし方は分からない、そのうちボロが出てくるだろうからその時に尻尾掴んで色々聞くか、本性によってはボコボコにするかもな。

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