33話〜ユウの疑問
ここは名もなき城の中。ユウはオルドパルスに呼ばれ客室にいた。
そこにはオルドパルスの他にゲランとカプリアも来ていた。
そしてゲランがユウを見ながら、
「なるほど、あなた様が魔王様なのですね」
「ユウ様。あなた様が、どれ程に強いのか知りたいのだが、今は時ではないとオルドパルス殿が言うしのぉ」
「カプリア嬢。誠に申し訳ありませんが、これから儀式の準備をするにあたり色々とありまして」
「……やっぱり今いち理解出来ない。……何で魔王が必要なんだ?」
「はぁ、何度もユウ様にお話しましたが。この世界は前に召喚された勇者により3つの国に分けられたのです。それだけなら良かったのですが、今の法律に縛られ、これでは周りも皆おかしくなりかねない。いやもう既におかしくなってきている」
「……その法律って、今の王様じゃ変えられないのか?」
「変える事は可能なのですが、王が3人もいるとなると意見が割れてしまうのですよ」
「難しいとは思うけど……対処方は他にもあるんじゃないのか?……わざわざ、こんな事をしなくても?」
「オルドパルス殿。どうやら魔王となられるユウ様は、まだ自覚がないようじゃのぉ」
「これはどういう事なんだ?こんな事では、本当に上手くいくか疑問だな」
「まぁゲラン殿。落ち着いて下さい。ユウ様はまだ、こちらに来られて間もない。それに、まだ覚醒なされていないので、儀式が終わり覚醒し本来の力を手にすれば、徐々にお変わりになるはずです」
「……ん〜、覚醒するって事は……真の魔王になり、俺自身の考え方も何もかも変わるって事だよな」
「恐らくは、そうなると思います。そして水晶の予言によれば、明日が、その儀式を行うにあたり、最良の日であるとでております」
オルドパルスがそう言うと、ユウは納得する事が出来なかったが、まだ様子を見る必要があると思いひとまず頷いた。そしてユウは、少し考えを纏めると言い自分の部屋に向かったのだった…。