26話〜ガルドと2人の女
ここはディクス村のガルドの家。
ガルドはあの後散々ビスカに追いかけられヘトヘトになっていた。
そのビスカはというと、ガルドが嫌がるのを無視して家に入り込んでいた。
そしてガルドは、何故かビスカの分も夕食を作る事になり、
「何でビスカ、お前の分まで俺が作らなきゃならねぇんだ!?」
「だって〜私って、料理出来ないし〜、それにガルドの手料理、久々に食べたいんだもーん!!」
ビスカは甘えた口調で言った。
「おい!一応、お前女なんだよな?」
「うん、そうだよ」
「なら、もう少し女らしくした方が良いと思うんだがなぁ。それに前にも言ったが、もういい歳なんだから、もう少し考えた方がいいんじゃねぇのか?」
「ん〜、そんな事を言われても、私は、ガルドが好きだし、この性格は直らないと思うよ」
「はぁ……」
ガルドは溜息をついて頭を抱えた。
色々と話をしていると、扉を叩く音がしたのでガルドは開けた。
すると、そこにカトレアがいたのでガルドは驚き、
「な、何でカトレア……お前がここに?」
「あ、会いたかったわ。ガルド!!」
カトレアはガルドに抱きついた。
「カトレア。俺も、お前に会いたかったが、良くあいつが許してくれたな?」
「ええ、そうね。今回は、ブラットの件とビスカの件があったので流石のお兄様もお許しくださいました」
「ブラットの事は分かるが、ビスカの件ってどういう事だ?」
「ビスカは、魔女でありながら、あまりにも長くエクスダールを離れ、こちらにいる為に連れ戻せと」
ガルドの後ろからビスカが現れて、
「えっと……クレイデイル様が私を?」
「やっぱり、ここに居たのですね」
「はははははぁ……でもやっぱり、あそこには戻りたくな〜い!」
「ビスカ。いい歳なのですから、いい加減に、子供じみた事は、やめた方がいいと思いますよ」
「プゥ〜、嫌なものは嫌なの!絶対戻らないも〜ん!!」
「おい、ビスカ。お前、いくつになった?」
「んー、いくつだろ?人間の感覚と違うからなぁ」
「確かにそうですね。恐らくは、100は超えているのでは?」
「ねぇ、ちょっと待って!?いくら魔女でも、そんなに歳いってるわけがないでしょ!?んーまぁ、とりあえず、その話は置いておくとしてさ……」
「それもそうですね。久々に会えたのですから、後でゆっくりと」
カトレアは家の中に入り椅子に座った。
「それで、夕食は結局、俺が3人分作らねぇとならねぇのか?」
「楽しみだなぁ」
「あら、貴方の手料理が久々に食べれるなんて、楽しみですわ!!」
「おいおい、女が2人いるっていうのに俺って……はぁ」
「クスクス……」
カトレアはガルドを見つめながら微笑んだ。
そして仕方なくガルドは3人分の夕食を作り食べたのだった…。