17話〜冒険者2人組☆王子と側近
ここはティールの街の冒険者ギルドの建物の中。
若い男女の冒険者がテーブル越しで向かい合い話をしていた。
「ねぇ、レフィカル。大丈夫かなぁ私達だけであの依頼受けちゃったけど」
「ジェシカ、心配症だなぁ。ただの人探しだろう?」
女性の方は、ジェシカ 15歳、男性の方は、レフィカル 16歳である。
そしてジェシカは深い溜息をつき、
「それはそうだけど。この依頼書だと、かなり強い人みたいだよ」
「でも俺達は、ただそいつを見つけ連れて行くだけなんだし、戦う訳じゃないから大丈夫だと思うけどな」
「まあね。ただ、その人が良い人ならいいんだけどね」
「とりあえず、会ってみるしかないだろうな」
そう言いながらレフィカルはオレンジジュースを飲んだ。
「それにしても。レフィカルって、必ずオレンジジュース飲むよね?」
「別に俺が何飲んだって構わないだろう!そういうジェシカだって、いつもミルクばっかり飲んでるじゃないかよ!」
「そ、それは……まぁ、いいや。とりあえず、仕方ないそろそろ探しに行こう〜」
そう言うとジェシカは席を立ち、ギルドを後にした。
「おい!ジェシカ。話をすり替えるな〜!それに、俺をおいて行くなぁ〜!」
そう言うとレフィカルは慌ててジェシカの後を追った。
そして場所は移り、ここはシェイナルズ城の中庭。
ここで1人の若者……いや、この城の王子マグド=R=シェイナルズが、側近のクロステル=ニウスと剣の稽古をしていた。
そしてマグドとクロステルは剣と剣を交えながら、
「マグド王子、18歳になられ以前より腕をあげられましたね」
「クロステル。幾ら何でも、それは18歳になったからじゃないと思うんだが」
「ハハハ……確かにそうですね。では、今日はこのぐらいに致しましょう」
そう言うとクロステルは剣を鞘に納めた。
それを見てマグドも剣を鞘に納め、
「そういえば、父上が言われていたのだが。新たに神と契約をした者が現れたと……」
「そうらしいですね。しかし王子、今はそのような事を考えず、ただ剣の稽古と勉学に励んでいればいいのです。それに、その事については陛下と賢者様にお任せすればいいのです」
「それはそうなんだが……。ただ、どんな奴なのかと思ってな。まぁ、確かに僕が気にした所でどうなるわけでもないのだがな」
「それでは王子、そろそろお部屋の方にお戻りになられたのがよろしいかと。私はこの後、用がありますので失礼させて頂きます」
そう言うとクロステルはマグドに一礼し、その場を後にした。
マグドはそれを確認すると自分の部屋に戻って行った。