13話〜賢者の手紙とギルド登録
ここは魔族領土エクスダールにあるキリア城。
魔族の王バルボロスは玉座に座り賢者イリスを待っていた。
「イリスは、まだか……。何をやっているというのだ」
そう言うと兵士の1人が扉を開け中に入ってきて、バルボロスに一礼すると、
「陛下、申し訳ありません。イリス様が……」
「イリスがどうしたと言うのじゃ」
「はっ、それが、何処にも見当たらず。書斎の机の上には手紙が置いてありました」
そう言うと手紙をバルボロスに渡した。
手紙を読むとそこには【バルボロスへ シェイナルズとスカイネーブルに急用が出来たので少しの間留守にします イリス=レイアスより 】 と書いてあり、バルボロスは少しの間頭を抱え考えていた。
「……ご苦労だった。済まぬが、至急兵士長にイリスを探し出し、即連れ戻して参れと伝えて来て欲しい」
「陛下、では直ちに伝えて参ります」
そう言うと一礼をした後、兵士長にバルボロスの言葉を伝えに向かった。
バルボロスは兵士が部屋から出て行くのを確認すると、
「はぁ、相変わらずイリスは何を考えているか分からん。しかし何故、シェイナルズとスカイネーブルに……。とりあえずは待つしかないのだがな」
そう言った後バルボロスは自分の書斎に向かった。
場所は移り、ここはティールの街。そしてガルドとユリィナは冒険者ギルドに来ていた。
朝食の時、宿屋の主人に冒険者ギルドの事を聞き登録に来ていた。
ガルドとユリィナは登録の為の書類を書こうとしたが、2人は自分の職業が分からず悩んでいると、受付嬢が書類をみて、
「どうされましたか?もしや、職業で悩んでおられるのでしょうか?」
「ああ、そうなんだが。旅に出たばかりで、何も分からねぇ。それで職業って何なんだ?」
そう言うと受付嬢は説明を始めた。
「職業とは、そうですねぇ……。ガルドさんは武器は何が得意ですか?」
「そうだなぁ。ん〜、俺は剣しか持ってねぇしなぁ。特別何が得意っていうのはねぇと思うんだが」
「剣しか使った事がないのであれば、その武器を扱う職業になりますね」
「ん〜、武器を扱う職業と言われてもなぁ」
「もし自分の職業が知りたいのであれば、転職の神殿で調べる事が出来ますので、行って見てはいかがでしょうか?」
「ガルド、どうする?」
ユリィナにそう言われガルドは少し考えた後、
「そうだなぁ、行ってみるか」
そう言うと2人は転職の神殿に向かった。