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7話〜旅立ち{改}

 ガルドとユリィナは荷物をまとめ、そのまま家を出た。

 ガルドは住み慣れた家を眺めていた。

(恐らく、もうここには帰れねぇんだろうな。だが、こうするしかねぇ。俺は前に進まなきゃならねぇんだ)

 ガルドは、これから何が起こるか分からない、不安や恐怖を噛み締め、住み慣れた家と村に一礼をした後、その場を離れた。

 ユリィナはガルドの後を追った。

 そして空は快晴で、ガルド達の旅立ちを見守っているかのように、日の光が暖かかった。



 しばらく歩いていると、ユリィナは暑さと疲れで、ヘトヘトになり立ち止まった。

 すると近くに大きな木があり、木陰で休む事にし、木に寄りかかり涼んでいた。

 ガルドはユリィナを待ったが、一向に来る様子がなかった為、仕方なくユリィナのいる方へと引き返した。

「ガルド!少しはねぇ。私の歩幅に合わせて、歩いてくれないかなぁ」

「ユリィナ、あのなぁ。ついて来れねぇなら、別についてこなくても良いんだぜ。って言うか、やっぱり俺について来ねぇ方がいいんじゃねぇのか?」

「あのね。今更ここまで来て、こんな所に女1人、置いていくつもりなの?そんな酷い人だとは、思わなかったわ!」

「あ〜、って、おい!だから、何でそんな話しになる?いい加減にしろ!俺は別について来いとは、一言も言ってねぇからな!!」

 ガルドとユリィナは、言い合いをしてしまい、ティールの街に着くまでの間、無言のまま歩いていた。



 ここはティールの街。この街はシェイナルズ城に近い為、商業が盛んで、色々な人で賑わってはいた。

 だが、この頃のティールの街には、娯楽施設などはなく、街自体も小規模な店が、ちらほらとある程度だった。

 街の中央には庭園があり、人々の憩いの場になっていて、その中心には、小さな噴水がある。

 庭園を中心とし、南側は住宅エリア、北側は商業エリアに分かれている。


 ティールの街に着くと、ガルドはユリィナに話しかけた。

「おい!これからどうする気だ?ここまで来れば、もう俺の後を、ついて来なくてもいいんじゃねぇのか?」

「それは、そうだろうけど……。行くあても無いし、帰りたくない。ガルド、やっぱり私って、足手まといかな?」

(さて、どうする?このまま連れて行って、ユリィナにもしもの事があれば、タダじゃすまねぇだろうし。
 かといって、このままここに、置いて行く訳にもいかねぇ。どうしたもんか……)

 困った顔で考えていると、ユリィナが覗き込んできたので、ガルドは慌てて顔を逸らした。

「そういえばガルドって、歳はいくつなのかな?ん〜、私の推測だと、20歳か22歳ぐらいかな?」

「ユ、ユリィナ。俺はそんなに老けて見えるのか?」

「えっ?って、まさか10代なのかなぁ。ははは……」

「はぁ、これでもまだ18歳なんだけどなぁ」

「18歳ねぇ。じゃ、2つ下になるんだねぇ。ふぅ〜ん、そうなんだぁ。じゃ、私の方がお姉さんだね」

「ああ。ていうか、その前に何が言いてぇんだ?って、ユリィナ!?俺より年上って……」

「ねぇ、ガルドって、彼女とかいないのかなぁ?」

「い、いきなり何を言いだす!」

「その顔は、いないんだね。ふぅ〜ん、そっか」

「あのなぁ。さっきからお前、何が言いてぇんだ?」

「そうだなぁ。うんうん、クスクス……。ガルドには内緒。さて、宿屋探そっと」

 そう言うと両手を上にあげ、背伸びをした後、

「ガルド。宿屋を早く探さないと、いい部屋が取れないよ」

「おい、あのなぁ。はぁ、ついて来る気か。まぁ、いいか」

 そう言うとガルドは、ユリィナと宿屋に向かった。

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