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監視

「ココが君の部屋だよ」
「もっと狭くても文句言わないんだがな」
「ご飯は何が良い? 運んでくるよ」
「要らん」
「要らないってそんな事言わずにさ
何が良い?」
「お前絶対引くだろ」
「引かないよ別に」

 ニーナと累は引く引かないの会話を10分程度し、累は根負けして話し始めた。

「虫、焼いてればもう良い」
「へー……」
「一応言っとくが日本の主食は虫じゃ無いからな、穀物の米ってヤツだからな、イナゴの佃煮とかあるって聞いた事は有るがソレは例外的に有るだけでーー」
「分かったよ、分かったから……」
「やっぱ引いてんじゃねぇか」
「厨二病ってヤツだよね、他人と違う事をしたいのは分かったから本当に食べたいモノは?」
「厨二病のヤツに失礼だろ。ってか厨二病って右腕が右眼がーのヤツだろ」
「うん、そうだね」
「とにかく、今俺が普通のメシ食ったら確実に吐くだろうからソレが最大限の譲歩だ。お前らのトコの料理とか知らねぇけどな」
「じゃあそう伝えとくね」

 ニーナは携帯を取り出して累から少し距離を置いて少し話した後に戻ってきた。

「ケータイ有んだな……」
「うん有るよ、通話しか出来ないし島の中でしか使えないけど」
「充分だろ、戦争とか有ったのか?」
「今絶賛戦争中、あの島のモンスターと異世界からの侵略者とね」
「そりゃ俺信用出来るわけ無いか、スパイかも知れないしな、俺なら締め上げる」
「アレ?案外あっさり」
「『異世界』で露骨過ぎるほど警戒してただろ? その時点で多少予測はしてた。どうせ敵は人間なんだろ、ってかモンスターより異世界の侵略者倒せよ。モンスターなんて今のところ害なんて無いだろ、あの騎士擬きが海なんて走るか?」
「この部屋から出て良い事になったら説明出来るかな?」
「そうか、納得出来れば良いんだが」

 そうこう話している内に誰かがドアをノックして入ってきた。パジャマを着て腰まである髪はボサボサで累の初見の感想は「コイツ部屋間違えたな」だった。

「お邪魔しまーす監視でーす」
「お前監視じゃ無かったの?」
「私は部屋に案内する様言われただけだよ」
「何だそりゃ」
「ご飯が虫なんて変わってるねー君」
「そりゃどうも」
「そーそー、1時間後に模擬戦有るから参加する様にして下さーい」
「お前伸ばすの癖か?」
「そーだよ。変ー?」
「いや聞きたかっただけだ。気にすんな」

 寝起きか? ってかほぼ目閉じてるけど大丈夫なのかアレ、しかも枕持参してるし、今にも寝そうだぞ、しかも何かウトウトしてるし、念の為布団でも出しとくか

「布団って何処に有るんだ?」
「押入れの上の段」
「コレか、おいお前、寝るんだったら布団で寝ろよ」
「ご親切にどうもー」

 警戒する様子もなく今さっき敷いた累の布団の中へ入り速攻で監視の人が寝た。

「……コイツ本当に監視で良かったのか?
警戒心無いわ、監視対象居るのにすぐ布団で寝るわ、監視絶対変えた方が良いぞ。いや変えろ」

 布団は半分俺の責任だけど直ぐに寝るってどう言う事だよ。

「うん大丈夫だよ」
「……」
「『コイツマジか』って顔でコッチ見るのやめて、寝て始めて能力発動するタイプだから」
「? 何も起こってないぞ」
「眠り姫の守兵って言う能力、部屋の外には居ると思うよ、部屋から出ようとしたり入ろうとすると攻撃してくる、ムーちゃんを起こさないと消えないよ」
「起こすの面倒くさ過ぎるだろ、起こしに行くヤツに同情する」
「大体ニ人一部屋だから大丈夫」

 誰かと一緒か、面倒くさいな

「俺自身の監視はお前か」
「実際には違うけどそうだね」
「他にもあんのかコイツの能力」


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