閉鎖都市

ある種(しゅ)の決意(けつい)の様(よう)なものを匂わせる瞳。

トイレの壁に投影(とうえい)されたカウントダウンの数字が、淡々(たんたん)と時を削(けず)っていた。

少女が身構(みがま)える様に僕の手を取るのを感じた。

小さな温もり。

その温もりと同時に唐突(とうとつ)な浮遊感(ふゆうかん)が全身を覆(おお)った。

室内灯(しつないとう)が一斉(いっせい)に明滅(めいめつ)を始め、
僕の意識(いしき)も同じ様に明滅してゆく。

幾度目(いくどめ)かの点灯を最後に完全に消灯すると。
重い闇に包まれる中、
配線(はいせん)がショートした様(よう)に意識(いしき)が混濁(こんだく)し、
記憶の断片(だんぺん)が時系列(じけいれつ)を無視(むし)して飛(と)び散(ち)った。



意識は無音の闇に飲み込まれていった・・・















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