デスゲーム→異世界
「はぁ… はぁ…」
優勝者 月 氷川累
サンサンと登りゆく太陽を背に2人の少年がいた
足と片手をもがれているが傷を凍らせている少年と、氷柱に貫かれ貼り付けになって息絶えた少年がいた
このデスゲームは2つの能力と武器が与えられ、殺しあうモノだった
最後に彼を殺し、累はデスゲームに優勝したが、優勝と聞こえておらず、身体を浮かせて近づき、氷漬けにして砕いた後、累は意識を失った
ーー
「うぅん……」
ココは?街?でも知らないな、しかしあの悪趣味なデスゲームの続きかもな、正直終わっても帰るところなんて無いし
あの悪趣味な奴だ、ポッケの中に何か紙でも入ってるだろ
累はパーカーのポケットの中を探るが真っ白な手帳を見つけた以外はポケットには何も入ってはいなかった。
全て現地調達かい‼︎
デスゲームの時は紙で色々書いてあっただろ‼︎
ココが全く分からない所で、少しは情報位寄越せよ‼︎
本当に悪趣味だな‼︎
ふざけんなよ‼︎ 会ったら絶対ぶん殴る‼︎
累は心の中で相当キレた。
キレたところでどうにもならない事が理解できていたがさっきまでの殺し合いのストレスのせいか少し長引いていた。
「クソッ 覚えてやがれ‼︎」
手帳をしまい、周りを見るが奇妙な事に気づいた。
手足が元に戻ってるのもそうだがもっと単純な話だった。
何故今まで気づかなかったのだろうか
人っ子1人もいない事に
「……何で誰もいないんだ?」
累は不思議に思いながら上を見て移動した。
何か煙でも上がってないかと思い確認したが何も無く、フードを取り、耳を澄ませて金属音がする方向にすぐに向かった。
音の聞こえる所へ行くと西洋の騎士の様なモノが取り囲んでいた。少し遠くから音が聞こえる事から中央で戦っている様だった。何が有ったのか聞こうと近づき声をかけると、騎士は振り向き様に剣を振るってきた。
累は寸でで避けたが取り囲んでいた鎧の一部が並でない速さで切りかかってきた。累は氷柱を生成し貫こうとしたが、アレは「デスゲームだから使えた」ので有って使える訳も無く、直撃は避けたが腹に一閃をくらい後方へ吹っ飛び、壁を貫いて建物の1室にに雪崩れ込んだ。
「そりゃそうか、使える訳無いよな、
クソッ、逃げた方が楽だろうけど、情報が無いからな、やるしか無い」
累は部屋から出て騎士に殴りかかった。
累に対し騎士は剣を大振って攻撃するが、当たる直前に屈んで回し蹴りを入れ、転倒させ、持っていた剣を奪い取り喉元を突き刺し距離を置いた。
が、血は出ず、何事も無かったかの様に剣を引っこ抜き、騎士は再び立ち上がった。
「うっ……
クソゲーだわコレ
しかも騎士もどきゾロゾロ集まってくるし、
神が居るならこう言ってそうだ。
ここで死ね、って」
最初に食らった傷もヤバイな
応急処置はしとくべきだったか?
長くはなさそうだ、くそったれめ
最初は3体位しか向かってこなかったのに今は10はいるだろ
「話しかけなきゃ良かった
あの手帳一体何だったんだよ」
手帳を半ば諦めながら取り出し何か書いてやろうと思ったのだろうか。
腹の血で文字を書くが、血は染みる事なく滴り落ちた。すると手帳は何故か光り、ひとりでにページをめくり、あるページで止まった。
「"月"(ムーン)の能力と説明……」
累は半信半疑で氷の塊を作り、ソレを浮かせて笑った。
「今回だけは感謝するよ悪趣味な主催者、コレならいける」
累は手始めに腹の傷を凍らせ、真正面の様子を見てる騎士に仕掛けた。氷で剣を作りテキトーに剣を振るった。
騎士もどきは剣で防いだが、累の目的は触れる事だった。
騎士もどきは剣ごと凍り、動かなくなった。
「動けなくすりゃコッチのもんだ」
騎士もどきは一斉に切りかかって来たが、累は瞬時に氷柱を作り、氷柱をぶっ飛し、貫いたが貫いても動くモノと動かないモノとで別れていた。
「何だこの騎士もどき」
累が何故か考えているとベチョべチョと水を零した様な音がした。コレは恐らく血だろう。
水を零した音?
そう言えば
コイツらぶっ倒すのが目的じゃ無かった⁉︎
累は高く飛び、騎士もどきの真ん中に降り、騎士もどきを一気に吹き飛ばした。
騎士もどきは吹き飛んだが、即座に起き上がろうとしていた。
「おい立てるか?」
「はい…… どうにか……
あの…… 貴方は?」
「後で話そう
俺もコイツらの事も聞きたいが、今は切り抜ける事が先決だ」
「ふざけんな……
いきなりこんな所にいた奴を信じろだ……
そもそもココに俺たち以外の奴が居ること自体がおかしいんだよ……」
「疑うのも信じるのも後でにしろ死にたいのか‼︎
このままじゃジリ貧だつってんだよ‼︎
俺は現状が分からない‼︎ お前らは満身創痍‼︎
お互い協力すれば抜け出せるかもしれない‼︎
ソレでも協力しないのなら‼︎
協力せずに死ぬのなら勝手にしろ‼︎
どっちだ今決めろ‼︎」
五人はそれぞれ意見を言い、一人気に食わなかった様だったが直ぐに決まった様だった。
「手を組むぞ
お前の能力は何だ?」
「氷と斥力、後盾」
「複数持ってるの?」
「文句はクソ主催者に言え
俺はどうすれば良い?
囮は無しな」
「氷の家を作って欲しい」
「デカい四角形のなら数秒有ればいける」
「あのナイトの様子見が終わる前に頼むよ」
「あぁ」
累は一瞬で四方、上に氷の壁を作った。