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三章 転換の扉(まとめ)

三章 転換の扉

異世界→現世界

男が目を開けるとベッドで寝ていた。しかし、今の時刻は一時だ。まあ今頃他の奴は学校だろうなー。まあつまりどう言うことか、簡単にいうと自分はニートだ!自信持って言うことでもないか、因みに自分の名前は『田中 進時』この物語の主人公は自分だ!なんてな。冗談だ。ここまでの話と関係ないよねだって?あれは、茶番みたいな物だ気にしなくていいぞ。ここからは自分達のコメディの始まりだ!まあ始まんないと思うけど。自分がなんでニートなんだってどうでもいいだろそんなの。てか今、親が仕事でいないっけ今のうちに食い物買ってこよーー。・・・よしいないな、コンビニまで行ってこよ。進時は少し黒くなった白靴を穿いてコンビニまでたどり着いた。(よし、ここまではクリアーだな。)進時はエナジードリンク、ポテチ、その他お菓子と最後にカロリー食品(カ○リーメ○ト等)を買い、コンビニを後にして颯爽と家に戻った。そして、パソコンに電源を入れて充電していたスマホ、タブレットを抜いていつものスタイルに入った!!とまあ進時の日常はこんな感じだ。ニートの中でも外に出るだけマシなのしれない。そんな事を思いながらゲームをする。
数日後チョコを食べたくなったので、進時は近くのコンビニに向かっていた。その途中の事だった・・・。
「シンジ様・・・。」
少女みたいな声でそう呼ばれているような気がした。流石に最初は幻覚だと思った。しかし、帰り道だった、
「あなたが必要なのです・・・。求めるなら何でも授けましょう。」
まただ、いやでも気になるな。進時は体を横にしてギリギリ入る位の細い道を少し進むと・・・。そこからは覚えてはない。

現世界→異世界

目を開けると、眼鏡を掛けた少女?の顔がスレスレになってた。
「うわぁ!?!?」
びっくりした拍子に起き上がったその時に唇が触れてしまった・・・。少し沈黙したあと、二人とも顔を赤くして、
「たまだまだからね!!」
と少女がカミながら言った。進時も、
「うん!そうそう!」
といったが、心の中では、
「よっしゃーーーー!!!(歓喜)」
という感じだった。そう考えていると少女が言った。
「なんか・・・、ラナさんが!おでことおでこを引っ付けて熱を測って!て!言ってたから!」
となんか誤魔化しながら言った。まあ人見知りなんだろう。予想が付くが心の中を聞いて見よう、
「うおしゃーーー!!!(歓喜)」
ですよね。
数分しても気まずくて話せなかった二人の所にフード付きのローブを来ている女性が来て、
「さっきから見てれば、なんだ!?気まず過ぎだろ!!」
そう言って眼鏡の少女を手招きして寄せると耳元で話し始めた。進時はなんか見てはいけないと思い、目線を反らした。それから少しして・・・
「あっ、あの!!」
進時は反らしていた目線を合わせて答えた。
「ああ、どうした。」
「・・・私の名前はメタナセだよ♪♪よろぴく!」
そう言って両手でハートを作って前に突き出した。進時は思わず
「おい、無理するな。」
と本音が出た。そして進時は付け足した。
「でも!可愛かったぞ。」
とグッドサインをして言った。
「褒められたようで貶されたような気がする・・・。」
そう言って落ち込み始めた。進時は慌てて言った。
「気のせいだ!」
進時とメタナセはそう言って笑いあった。自分はこんな皆で楽しめる場を求めていたのかもな、そう感じた。
「なー、ラナ・・・いない!?」
進時は目を大きくしてそう言った。そうすると、メタサがため息を付いて言った。
「はー、またラナ存在感消していなくなってるよ。」
進時とメタナセは死んだ魚の目をして言った。
「何回もあるんだー。」
「あるよー。」
進時は話を変えた。
「ところでメタナセやっとタメ口で話してくれたな。」
すると、メタナセは落ち着いた口調で言った。
「私も男の人に久しぶりにタメ口で話したな。」
進時は頷きながら言った。
「それは良かった。」
すると、
「お二人さん話は済んだかーい。」
「わ!?ラナ!?!?」
ラナが天井の角材にぶら下がっていた!?流石にびっくりした。メタナセは強い口調で言った。
「ラナびっくりするから急に出てこないで!」
「それは二人とも済まないな。」
ラナはそう言ってお辞儀した。メタナセは言った。
「はー、ラナったら。ところでシンジって何処から来たの?」
進時は流石にバレるのはマズイと思い、慌てて答えた。
「まあ・・・遠方のところかな?」
「そうならこの町案内しよっか?」
進時はバレなかった事に安心しつつ、返事をした。
「ああ、そうだな。案内してくれ。」
「正直でよろしい♪着いてきて!」
メタナセはそう言って手招きした。進時はゆっくりした足取りで着いて行った。ラナはこれまた存在感を消して着いて行った。だから怖いよ!!

進時達は部屋を出て受付に来た。他にも部屋があることから宿屋かなと思った。しかし不安に思い、聞いた。
「ここって宿屋か?」
「そうだよ?」
メタナセが不思議そうな目をして答えた。そうして歩いていると受付に着いて、チェックアウトをした。そしてドアを開けると、緑と複数の町並みが広がった。
それにしても、
「暑いなー」
「だよねー」
メタナセがそう相づちを打った。ところで・・・
「ラナー、いるかー?」
「いるよー。屋根の上に。」
ん?屋根の上・・・えっ!?
「いるーーー!?」
「二人同時に言われてもなー。」
そう言うラナに進時は指摘した。
「ラナ、それホント怖いからやめた方がいいよ。」
「んーまあね。」
そう言って頷いた。オーラや存在感がなくせるのは凄いと思うが。するとメタナセが言い始めた。
「あっそういえば私達が何か言ってなかったね。私達はギルド『ネクルシーザ』のメンバーだよ♪」
ラナがメタナセの言葉に付け足した。
「現在三人しかいない最弱ギルドでーす!」
メタナセが慌てて言い始めた。
(それ言わないでーー!)
まあ聞こえているが。一つため息をつくと進時が言った。
「んー、もう少し考えて答え出すわ。」
「でも考えてくれるだけでも嬉しいよ!」
そしてメタナセの表情が少し暗くなった。何でだろうこんな事言うのはどうかと思うかもしれないが、メタナセは眼鏡をかけた理系美少女で、ラナはフードを被ったボーイッシュ系でこんな人が集まらないギルドには・・・まてよ。三人!?あと一人いるなそいつに原因があるのかも・・・。
「なあ、もう一人いるよな。」
「うん、そうだよ?」
メタナセは進時を不思議そうな目で見た。そして、少し暗い顔をした。
「そいつに会うことって出来るか?」
「いや・・・。」
メタナセの顔が更に暗くなった。なんでだ?進時は鈍感な性格なのでよく分からなかった。しかし、
「済まないな。」
問い詰めてはいけないことだとはわかった。察してくれたと感じたメタナセは、
「ありがと。」
と言って、
「さてっとこんな暗い感じでもしょうがないから、早く行こ!」
「ああ、そうだな!」
そう言って少し笑みを浮かべた。
「・・・お二人さーん私忘れでしょー!」
・・・。
「ナンカキコエタヨネー。」
メタナセが棒読み
「ウンソウダネー。」
進時も棒読み。
「いや、ここだから!」
ラナは凄く強調して訴えた。
「冗談だから、大丈夫だよ。」
進時は流石に正直に言った。
「・・・へーそうなんだ。」
ラナはそう言って手をポキポキと鳴らした。
「なあ、ラナそれはなんだ・・・?」
進時はラナの手を指差した。
「イヤーナンダロネ。」
ラナは棒読みでそう言った。
「この通りだけど。」
また手をポキポキ鳴らしながら進時に近づいた。
「どういう・・・。」
そう言って進時は少し後退りをした。
「オラァ、シンジ一発殴らせろ💢」
「イヤーーー!」
ラナが走り始めて、それを見て進時は逃げた。
「なんで自分だけーーー!」
そう言って進時は更にスピードを上げた。
「・・・シンジドンマイ!」
去っていく進時とラナを見てそう言って、グッドサインをした。



異世界神の間にて
「進時って奴、面接してたっけ?」
ルクは椅子で寛ぎながらそう言った。
「いや、見たことありませんが。」
伝言人は資料を見ながら言った。
(まあ俺が付けるパラメーターではないが。だって進時のパラメーターは。)
体力(HP)5000、技力(SP)2000、攻撃力2500、防御力2000、以下省略。これで1レベルだ。これは、転生者に付けられる最大パラメーターを超えてる。
「・・・ルク様、早い所で対処しないと。」
伝言人はそう慌てていた。
「わかってる、早いうちに『殺せ。』」
そうルクは冷淡に言った。
「わかりました。」
伝言人は返事をした。



異世界
「シンジ、ここはね!」
「おう。」
元気に町を紹介しているメタナセを見て本当にこの町が、大好きなんだなと思った。
「やあメタナセちゃん。今度は町案内かい?」
進時より少し背の高い男性が話しかけて来た。
「あっ、ハユさん!そうですよ!」
「へー、メタナセちゃん凄いなー、ナンパばかりしてる俺とは違うなー!」
(ハユさんは少しチャラいのか?)
「そうですよ!」
メタナセはハユに強くそう言った。
「ハハッ、そこら辺俺より一枚上手だからなー。まあ、頑張れ!」
ハユはそう言ってグッドサインをした。
「はい!ありがとうございます!」
メタナセはお辞儀をした。
「じゃあな!」
ハユは笑顔で手を振った。その少し離れた所で、
「・・・ふー、見つけた。」
伝言人は双眼鏡を見ながらそう言った。そして、一旦物語は戻る。

これは遡ること4カ月前の話だ。

異世界
「谷野さん!!」
執事が谷野の肩を掴んで揺さぶって呼んでも応答がなかった・・・。しかし、
「谷野さんは生きてるよ。」
白髪が特徴的な執事がそう言って通りすぎて、ナコの安否を確認しようとナコに近付いた。すると、
「ナコ様・・・。」
白髪の執事が黙りこんだ。
「ナコ様も倒れてしまいましたが外傷はないので大丈夫だと。」
執事がそう言うと、白髪の執事は首を横に振った。
「ナコ様は、谷野さんの『身代わり』になったのですよ・・・。」
「それはどういう・・・。」
急な情報が多い為に言葉に困った。すると白髪の執事が説明し始めた。
「確かに谷野さんは一回死んだ。しかし、ナコ様がその致命傷を庇ってらっしゃった。ということだ。」
(ナコ様、庇ったのですか?私達はどうすれば・・・。)
執事は泣き始めた。何年も全てを捧げ、信じてきた主人が最後がこんな辛いものだとは・・・。
「しかし、なんで・・・。」
「それほど谷野さんに価値や力を感じたとしか思えません。」
執事が言い終えると白髪の執事が執事の頭に手を置いて言った。
「これで私達の仕事は終わりだ。タメ語で話していいよ。」
「わかった『父さん』。」

谷野は意識が戻るとベッドから起きた。当然だが自分は死んだはずだと混乱した。情報が欲しい谷野はとりあえず部屋から出ると、通りかかったメイドが気がついて慌てて中央の広間に走って行った。谷野はそのままメイドに着いていって中央の広間に来た。すると、白髪の執事が近づいてきた。
「あの谷野さんですよね。」
白髪の執事の質問に谷野は素直に頷いた。
「一応自己紹介しておきましょう。私は執事長、名前は伏せておきます。」
そう言うと執事長は右手を右にやってお辞儀をした。(それはそうとしてなんで名前を伏せたのだろうか。)
谷野は考えているが分かるわけもなく間が空いた。考え込んでいる谷野を見て執事長は少し不思議そうな目をした。
「教えない理由言いましょうか?」
「出来ればお願いします。」
当たり前だが聞いた。
「親しい仲ではないからですよ。」
(ん?どういうことだ?)
結局分からなかったが、無理やり飲み込んだ。とりあえず何があったか聞いた。そもそも防御力1の時点で即死は確定なのだが、死ななかった。その理由を知りたかったのだ。
「あの時なにがあったんだ?」
「話が長くなるので座ってください。」
すると谷野に椅子に座るよう勧めた。
「あの時何があったか一通り言いましょう。
1.暗殺者が襲ってきた。
2.しかし、間に合わなかった。
3.谷野が私の娘を庇った。
4.谷野が刺されて死んだ。
5.暗殺者が谷野の庇ったことにびっくりしている隙を私の娘が衝いて倒した。
6.私達が駆けつけた。
こんな感じです。」
谷野はどこまで知っているか大体の人は分かっているだろう。
「2までだ、というかその後から記憶もないぞ。」
谷野の回答に執事長はびっくりした様子だった。
執事長は少し間をおいて言った。
「だが、なんで記憶もない状態の中で庇えたのだ?」
「確かにそれがわからないな。」
しかし谷野がわからなければ誰がわかる、そんな様子だった。
(でも意識はなかったんだ。いや、意識がなかったからか?いや流石にそれはない。意識がないのに体が動くものか。)
悩めば悩むほど迷宮入りしていく、そんな様子だった。すると執事長が一咳して言った。
「谷野さん少しの間この館に留まって考えるのはどうでしょう。第一体も疲れているでしょうし、のんびりしながら考えた方がいいと思います。」
谷野は少し悩んで、
「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらいます。」
すると、執事長は立って言った。
「私は何かとやることが多いので谷野さんの世話は副執事長が担当します。なので何か困った事があったら副執事長にお申し付けくださいませ。あと、何か思い出したら私を呼び出しても構いませんのでよろしくお願いします。それでは失礼します。」
執事長は颯爽と去っていった。
(まあその通りだ主人が死んだのだからやることも多いと思うしな。)
それから谷野は色々と整理するために部屋に戻った。すると部屋に、
「あっすみません、いまベッドメイキングしている途中で・・・。」
執事がいた。谷野は慌てていった。
「い、いいですよ。ちょっとしたらまた戻るので。」
その言葉を聞いて執事が近くに寄ってきた。
「あの、谷野さんに少し聞きたい事があるのでいいですか?」
(・・・この執事よく見たら女性じゃないか。そういえば、執事長さんが俺の世話を副執事長が担当するって言ってたな。それがこの女性執事ということか。)
「谷野さん、もしかして私が女性だって気になりましたか。」
(まあ気になるよな。)
そう考えていると副執事長が座る事を勧めてくれた。そして椅子に腰掛けると副執事長が一息ついて言った。今思えば『これが始まり』だったと考える。

話とはなんだ、そんなことを思いながら座ると副執事長が言い始めた。
「谷野さん庇ってくれてありがとうございました。」
「お礼言われても自分でも何故庇ったのかもわからないんだ。」
谷野はお辞儀しつつそう言った。
「理由なんて簡単ですよ。谷野さんの優しさです。」
(えっ、そんなのあったっけ。)
優しさがあったと思わなかった谷野はびっくりした。谷野は外は大胆で少しチャラさがある感じだが、中身は勇気のない意気地無しだった『はず』。そう思っていた。
(いや、待てよ。)
谷野は落ち着いた様子で副執事長に言った。
「そもそも意識もなかったのに優しさなんてあるものか?」
「谷野さん、お礼に正解は関係なくて素直に受けとるべきですよ。」
(あっそうだった。俺、なんで他人を疑っていたのかな。)
そんな事を思った自分が馬鹿馬鹿しくなった。
(何回も死んで何をすればよいかがわからなくなってしまったのか。いや、今は正解を探すことよりもやるべきことがあるだろ。)
もはや苦痛で自我が壊れてしまったのだろうか、分からなかった。谷野の様子がどんどん暗くなっていた。
「谷野さん!!」
副執事長がいきなり大声で言った。
(びっくりした!?)
しかし、切り替えてくれということは伝わってきた。
(また考え込んでしまっていた。)
間違いなく谷野の悪い所だ。しかし、考える時間がなかった谷野は『鬱陶しい』と思った。そう、谷野は人の優しさも鬱陶しいと思う器の小さい男だ。しかし、
「ありがとう。」
と言った。あくまでも隠しておくということだ。それも優しさと思っている。
「あの、気分転換に近くの森を散策しに行きませんか?」
副執事長は首を傾げながらそういった。
(それは確かにいいな。)
「じゃあお言葉に甘えて行かせてもらおうか。」
「はい!!」
副執事長はにこやかに笑った。そして副執事長は部屋を出ていった。
(どうせ演技なんだろーけどな。)
谷野はもはやこんな事を思う人間不信になっていた。とりあえず準備を済まして副執事長が来ることを待っていた。まあ準備といっても何もないのだが。数十分後準備を済ました副執事長が部屋に入って来た。
(いや変わった所ないのだが。)
「行く前に、谷野さん武器持ってませんよね。片手剣貸しておくので使ってください。」
そう言って谷野に片手剣を渡した。鞘に納められていて、長さも両手合わせた位といった感じだった。
「てか攻撃力1で持てるのか?」
「攻撃力と腕力は直結しないので安心してください。」
確かに持てるということは『そういうこと』だ。そんな事を話して部屋の外に出て裏口らしき所から出発した。話すことといっても世間話もわからないのだが。

出発した谷野と副執事長は本当に気まずい様子だった。山頂に着くまで聞けたことは
「なあ、副執事長の実名って何なんだ?」
「教えませんよ。」
「ですよねー。」
これだけ。何のために出たのか。
(まだ部屋にいたときの方がマシのような気がするな。)
しばらくして山頂に着いた。山頂からの景色は緑と複数の町のある生活感のあるものだった。すると、副執事長が言った。
「ここは昼より夜の方が綺麗ですよ。」
(ならなんで来たんだよ。)
「だけどここに私の元仲間がいるんですよ。」
副執事長がそう続けて言った。
(仲間か・・・。)
・・・。
ドォン
重低音がして谷野を貫いた。そして体が動かなくなった。
『思考停止』
「谷野!?」
副執事長は辺りを見渡した。すると、
ドォン
また重低音がして今度は副執事長を貫いた。すると三人組の男がやって来て倒れている谷野を蹴った。
『思考再開』
(はっ。)
意識を取り戻したが倒れているふりをした。実は副執事長が撃たれたのも見ていたのだ。簡単にいえば、谷野は仮死状態だったが目が開いていたのである程度見えていたのだ。一人が副執事長を引きずっていき、もう二人は辺りを見渡していた。そして、ヤノはゆっくり目を開け、
『ブラインドフィールド』
を唱えた。辺りが暗闇に包まれた。しかし、ヤノには暗闇の中でも見えるのだ。三人組が混乱している内に辺りを見渡していた二人に斬りかかってあっという間に倒した。しかし、谷野の攻撃力は1のはずだ。・・・いやそこにいたのは谷野ではなくヤノだった。谷野は覚醒したのだ。すると暗闇が晴れて最後の男と一騎討ちになって、男は副執事長の首に刃物を突きつけようとしたが、
『アサヌヤード』
ヤノは消えて、男の頭上にワープして攻撃した。男は受け止められるわけもなく、
「うわぁぁぁ!?」
剣を脳天に刺されて即死した。

(はっ!?)
また起きた谷野は副執事長に駆け寄った。
「おい!!大丈夫か!」
応答はない。
「おい!!」
応答はない。
「・・・。」
(まただ。)
こうして谷野はまた失うのだ。その繰り返しだ。谷野は倒れている副執事長を抱き抱えて下山した。
「なあ、副執事。」
応答はない。谷野は裏口から入った。すると、廊下に引きずった跡のように血が付いていて、噎せかえるような臭いがした。そして広間には沢山の死体が積まれていた。
(まただ。)
よく見ると執事長の死体も積まれていた。奇襲に会ったのだろうか。谷野は副執事長の死体をそこに積んだ。その後穴を掘って、死体を焼いて、埋めた。その時に副執事長のネックレスを回収した。そのネックレスと借りた剣、キッチンにあった食べ物を倉庫にあったリュックに入れて、館を去っていった。そして谷野は涙が出なくなっていた。


異世界(進時側)
「プハーー、やっぱり酒場はこうでないとね!」
メタナセが木のジョッキを勢いよく置いて、そう言った。進時達は、町の宿屋の酒場に来ていた。お酒を嗜む人、デカイ声で喋る人、ヒソヒソと話す人、料理やお酒を配っていく人、色とりどりの人が沢山いる。
(確かにこの雰囲気は嫌いではない。)
「・・・メタナセ明日クエストにいく予定だからあまり飲み過ぎないでね。」
ラナが心配そうにメタナセにそう言った。そんなラナを裏腹にメタナセは飲み続けていた。

「よいしょっと、飲み過ぎるなと言われてるに飲み過ぎちまったな。」
進時は宿屋でメタナセを運んでベッドに下ろした。
(二階まで運んで疲れたな、俺も部屋に戻ろうかな・・・やっぱり心配だからいとくか。)
進時は壁を背もたれにして床に座った。
(眠いなー。ちょっと寝とくか。)
進時はそのまま目を閉じた。

「・・・ごめん、進時。」
メタナセは眠る進時にそう言って部屋を出た。廊下を歩いて、階段を降りて、ドアを開けて出た。宿屋を出て走っているメタナセの手には新聞があった。
『ナコ国政長とその執事、メイドの大量殺人!?その真実を追った。』
という記事があった。その記事の一文には、
『騎士団、警備隊は谷野を容疑者として追っている。』
という一文があった。
次の日
(寝すぎた!?)
起きると既に朝だった。ベッドを見るとメタナセがいなかった。宿屋を徘徊をしたがいなかったので、荷物を確認するとチェックインして出た。進時はひたすら走って探し回った。ただひたすら、計画も立てずに探した。しかし、見つからず夜を迎えた。そういえば、
「ラナ!?いるか!!」
「いるよー。」
振り向くとそこにはラナが後ろにいた。
「びっくりした!?またいきなり現れるなよー。」
「・・・私そんな存在感なかったか?」
進時はの慌てて言った。
「メタナセ見かけなかったか?」
と進時が言うと
「見かけた、と言うより追いかけたけどほっといてくれと言われたよ。」
とラナは返した。
「そうか・・・」
谷野は悲しそうに下を向いた。するとラナが言った。
「でも・・・。」
ラナは新聞を出して言った。
「そう言えば新聞な記事にナコ国政長とその執事、メイド達が襲撃にあって全滅という記事があったんだよ。それで『ヤノ』という人が犯人の可能性が高いって書いてあったよ。」
「それと関係ないと思うが。」
「もう、言うか。」
すると、進時が不思議そうな顔をした。
「私達が一枠残しているのは、そこ執事の為なんだ。」
「ほう。」
ラナは悲しそうに、
「その執事・・・いや、バーサヌはメタナセの幼なじみで・・・グハッ!?」
ラナは・・・血を吐いて、倒れた。
「ラナ!?」
(なっ、なんで・・・)
すると、ラナが
「進時・・・にっげて。」
「なんでだよ、俺が仲間を捨ててに。」
そこからの意識はなかった。

「グアーーー!!」
怪物と化した進時はいろんな町を行っては暴れて殺し回った。殺した数は百人?いや、千人は簡単に超えていた。ラナも怪物に化し、ここまで約五百人を殺している。そう、二人はモンスター用の凶暴化する呪いのある薬品を注射されたのだ。
「ふー、目的通り二人の駆除は終わったっと。あとは二人を操作してヤノを殺して、征服するだけだ。」

数日後
「バーサヌ!!」
メタナセは門から入って、
「なんで・・・。」
すると、死体を漁る男がいた。
「!?、誰だ!!」
すると男は、
「これは、その・・・」
メタナセはその言葉を無視して
「あんたヤノか?」
「そうだけど?なにか?」
すると、メタナセは
「そうか・・・」
メタナセは、ヤノに切りかかった!→ヤノは鞘から剣を出して、その攻撃を受け流した。→メタナセはもう一回切りかかった!→ヤノはメタナセの攻撃を回避して足を引っかけ転かした→ヤノは更に転けたメタナセの首を掴み、刃を向けた。
「俺に、近付くな!!」
谷野がそう言うと、メタナセは言った。
「私は!お前を許さない!」
そう言って抵抗した。すると、
「うわ!?」
谷野が凄い勢いでふっ飛んだ!?
ドサッ
『不完全な意地』
谷野は壁に打った勢いで9ダメージ!残り1
(あっぶなー!?)
「・・・よし!今だ!!」
メタナセが飛びかかった!→ヤノは鞘から剣を取り、受け流した。→メタナセはそのままの勢いで壁に当たった(36ダメージ+気絶)。
「ふー、危な・・・。」
・・・。
「!?、メタナセさん!大丈夫ですか!」
谷野はメタナセの肩を掴み、揺さぶった。しかし、応答がなかった。
(メタナセさん・・・そうだ。今度こそ生かしてみせる・・・。絶対に・・・。)
谷野は館を去った。

四章 かさ地蔵に続く
















































































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