三章 転換の扉(五話)
異世界(進時側)
「プハーー、やっぱり酒場はこうでないとね!」
メタナセが木のジョッキを勢いよく置いて、そう言った。進時達は、町の宿屋の酒場に来ていた。お酒を嗜む人、デカイ声で喋る人、ヒソヒソと話す人、料理やお酒を配っていく人、色とりどりの人が沢山いる。
(確かにこの雰囲気は嫌いではない。)
「・・・メタナセ明日クエストにいく予定だからあまり飲み過ぎないでね。」
ラナが心配そうにメタナセにそう言った。そんなラナを裏腹にメタナセは飲み続けていた。
「よいしょっと、飲み過ぎるなと言われてるに飲み過ぎちまったな。」
進時は宿屋でメタナセを運んでベッドに下ろした。
(二階まで運んで疲れたな、俺も部屋に戻ろうかな・・・やっぱり心配だからいとくか。)
進時は壁を背もたれにして床に座った。
(眠いなー。ちょっと寝とくか。)
進時はそのまま目を閉じた。
「・・・ごめん、進時。」
メタナセは眠る進時にそう言って部屋を出た。廊下を歩いて、階段を降りて、ドアを開けて出た。宿屋を出て走っているメタナセの手には新聞があった。
『ナコ国政長とその執事、メイドの大量殺人!?その真実を追った。』
という記事があった。その記事の一文には、
『騎士団、警備隊は谷野を容疑者として追っている。』
という一文があった。
次の日
(寝すぎた!?)
起きると既に朝だった。ベッドを見るとメタナセがいなかった。宿屋を徘徊をしたがいなかったので、荷物を確認するとチェックインして出た。進時はひたすら走って探し回った。ただひたすら、計画も立てずに探した。しかし、見つからず夜を迎えた。そういえば、
「ラナ!?いるか!!」
「いるよー。」
振り向くとそこにはラナが後ろにいた。
「びっくりした!?またいきなり現れるなよー。」
「・・・私そんな存在感なかったか?」
進時はの慌てて言った。
「メタナセ見かけなかったか?」
と進時が言うと
「見かけた、と言うより追いかけたけどほっといてくれと言われたよ。」
とラナは返した。
「そうか・・・」
谷野は悲しそうに下を向いた。するとラナが言った。
「でも・・・。」
ラナは新聞を出して言った。
「そう言えば新聞な記事にナコ国政長とその執事、メイド達が襲撃にあって全滅という記事があったんだよ。それで『ヤノ』という人が犯人の可能性が高いって書いてあったよ。」
「それと関係ないと思うが。」
「もう、言うか。」
すると、進時が不思議そうな顔をした。
「私達が一枠残しているのは、そこ執事の為なんだ。」
「ほう。」
ラナは悲しそうに、
「その執事・・・いや、バーサヌはメタナセの幼なじみで・・・グハッ!?」
ラナは・・・血を吐いて、倒れた。
「ラナ!?」
(なっ、なんで・・・)
すると、ラナが
「進時・・・にっげて。」
「なんでだよ、俺が仲間を捨ててに。」
そこからの意識はなかった。
「グアーーー!!」
怪物と化した進時はいろんな町を行っては暴れて殺し回った。殺した数は百人?いや、千人は簡単に超えていた。ラナも怪物に化し、ここまで約五百人を殺している。そう、二人はモンスター用の凶暴化する呪いのある薬品を注射されたのだ。
「ふー、目的通り二人の駆除は終わったっと。あとは二人を操作してヤノを殺して、征服するだけだ。」
数日後
「バーサヌ!!」
メタナセは門から入って、
「なんで・・・。」
すると、死体を漁る男がいた。
「!?、誰だ!!」
すると男は、
「これは、その・・・」
メタナセはその言葉を無視して
「あんたヤノか?」
「そうだけど?なにか?」
すると、メタナセは
「そうか・・・」
メタナセは、ヤノに切りかかった!→ヤノは鞘から剣を出して、その攻撃を受け流した。→メタナセはもう一回切りかかった!→ヤノはメタナセの攻撃を回避して足を引っかけ転かした→ヤノは更に転けたメタナセの首を掴み、刃を向けた。
「俺に、近付くな!!」
谷野がそう言うと、メタナセは言った。
「私は!お前を許さない!」
そう言って抵抗した。すると、
「うわ!?」
谷野が凄い勢いでふっ飛んだ!?
ドサッ
『不完全な意地』
谷野は壁に打った勢いで9ダメージ!残り1
(あっぶなー!?)
「・・・よし!今だ!!」
メタナセが飛びかかった!→ヤノは鞘から剣を取り、受け流した。→メタナセはそのままの勢いで壁に当たった(36ダメージ+気絶)。
「ふー、危な・・・。」
・・・。
「!?、メタナセさん!大丈夫ですか!」
谷野はメタナセの肩を掴み、揺さぶった。しかし、応答がなかった。
(メタナセさん・・・そうだ。今度こそ生かしてみせる・・・。絶対に・・・。)
谷野は館を去った。
四章 かさ地蔵に続く