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自分の結婚式


 毎年3月末から4月中旬にかけて地獄の日々を過ごす現場がある。長い時には、5月末まで続く。
 この時期は、自分の部屋で過ごす時間はほぼ皆無で殆どの時間を職場で過ごしている。

 それは、システム屋に出された、お上からの命令だからしょうがない。

 4月1日から会計システムを変更して、新しい料金体制で業務を行わなければならない。
 その仕様を決めているのが、”東京都千代田区霞が関1-2-2”にある役所だ。そして、その仕様が出てくるのが、早くても3月半ば。しかもこの時点で最終稿ではない。
 お役所の文章を読んだことがある人はわかると思う。せんびき(ものさし)を持って、段落をしっかり認識して読まないとプログラムに落とし込めない。
 難解な言葉を使って、参照先が幾重にも張り巡らされている文章を読み解いて、プログラムに落とし込んでいく。この作業を、2週間で行わなければならない。簡単に聞こえる人がいたら、この業界の人では無いだろう。
 数万行。もしかしたら、桁が二桁上かも知れないソースコードの中から該当箇所の変更を行う。これが、どれほど神経を使う作業なのか・・・。そして、それが終わってから、テストを行う。本来なら、テストだけでも数週間かかる事を、1-2日で完了させなければならない。

 必然と、残業時間が増えていく。
 そして、問題なのは決定稿や修正稿が4月に入ってから到着する事があるのだ。
 新しい仕様が来たからといって、システムは止められない。客が使っているからだ。客も最終顧客に提供しなければならない。そのために、システムの問題があれば、即日修正が基本になってくる。客の業務が終了してから、データの整合性を取って、プログラムの修正を行う日々が続くのだ。

 仕様が変わってしまった事による不具合も出てくる。それらに対処する為に、客先でデータの修正を行いつつプログラムの修正を行う必要がある。

 これが一段落するのが、4月の半ばだ。
 半ばをすぎれば、プログラムの修正は落ち着いてきてくるが、今度は新機能の話が出てくる。
 そして、7月か8月くらいには、4月から新しい計算で行った結果を国が調べて問題点を通知してくる。早い年で6月末くらいには通知が届く7月にはほぼ出揃って、そこからデータの修正したり、プログラムの改修をしたり、作業が大量に発生する。
 問題点が少ない年もあるが、難解な文章の一つを読み間違えるだけで大量の修正が発生するのだ。
 会計に関わる部分なので、顧客への返金が発生する事もある。これらの処理を行わなければならないのだ。

 そんな楽しい職場だが、6月は比較的休みが取りやすい。
 あくまで、この現場としては・・・と、いう枕詞が着く。5月の連休は何年も関係がない状況になっています。この現場に配属が決まった時に言われたのが、3月4月5月の休みは無いと思ってくれだった。

 そんな現場だが、5月の終わりになれば、時間ができ始める。
 しかし、この年は違っていた。

 本来なら暇になるはずの時期が来ても、暇になりそうになり。
 それどころか、忙しくなる一方なのだ。役所のミスではない。役所はいつもどおりのクソのような対応で3月末に仕様を出してきて、4月1日対応を言ってきた。最終稿も4月の第二週に送ってきた。いつもどおりだ。
 客もいつもどおりだ。悪い、悪いといいながら、オーダーを変えることはない。

 それでは何が違っていたのか?
 会社の上層部がミスを犯したのだ。3月、4月、5月が忙しくなると解っていながら、現場の人間を1月に着火した別の現場に送り込んだのだ。見事に消火に失敗した。
 こちらでも人手が必要になってから、人員を送ってくれた。経験もない、言語知識だけを持つド素人の集団を・・・だ。
 業務知識がない素人を100人送るのなら、現場から連れて行った経験者を1人返してほしかった。

 しかし、有能な上層部はこれで乗り切れると思ったらしい。

 乗り切れるわけもなく、偉い大学を出たド素人がしたり顔で現場に出てきて、口を動かしている。
 そんな事は言われなくても百も承知だ。いいから、手を動かせ。まずは乗り切らなければ、その先の話も繋がらない。その程度の事もわからない口先野郎は、引っ掻き回すだけ引っ掻き回して、会社に来なくなって、辞表を出して居なくなった。

 これが、今年の修羅場とかした現場で発生したことのすべてだ・・・と、思いたかった。

 そして、出口が見えないまま6月が見えてきた。
 手を動かしていたド素人たちもある程度は使えるようになってきた。暇になりつつあり、6月になれば交代で休めるくらいにはなりそうだった。

 この時に、翌日に来る悪夢を予感できた人間がいたとしたら、その人物は神か悪魔だろう。
 発生した事を考えれば、後者である可能性が高い。

 予測できない事を皆が悔やんでいた。悔やんでもしょうがない事を、悔やむしかない状況だったのだ。

 システムの改修も終わって、データの整合性も取れた。
 営業が客先と話をして、OKを貰えれば、2週間の休暇となる。

 客先にも、もう何度も何度も確認をして問題ない事は確認している。
 儀式な様な物だ。皆が、問題なぞ発生しないと考えていた。

”ジリジリ”--”ジリジリ”

 上司の携帯の呼び出し音が、静かな部屋に乾いた音で鳴り響いた。

 最終確認が取れたという連絡だろう。だれもがそう思っていた。

『はい。上里』

『は?』

『なにを・・・はぁ??』

『何を、今さら、そんな事を言われても、できません』

 雲行きが怪しくなってきた。
 皆に緊張が走る。

『・・・・』

 上司の沈黙が怖い。上司は、メモ用紙をとると殴り書きをしている。”会議室を借りて、全員を集めてくれ”とだけ書かれている。

『それで、それは”いつ”言われたのですか?』

 長い沈黙です。
 会議室はなかなか取れない。
 その間も上司と営業の話は続いています。

『はぁぁぁ?何、言っている。自分が言っている事解っているのか?あんたじゃ話にならない。上司に変わってくれ!居ない?どういう事だ?客先には、二人で行く約束だろう?』

 上司が立ち上がって、携帯に向かって怒鳴ります。
 もうダメだという事が確定したのでしょう。

『無理なものは無理です。”部下に死ね”と言えってことですか?』

 皆がうつむきます。
 上司が粘ってくれているのはわかりますが、経験上どうにもならないのだと悟ります。

『どうにもなりませんよ。無理なものは無理です』

 まだ営業が食い下がります。
 誰かがミスをしたのだろう事はわかりますが、事情が飲み込めない状況です。

 上司が電話を切って、皆を見回した。
 丁度、会議室が取れたという連絡が入ったので、会議室に移動します。

 その間も、上司は電話をかけ続けます。営業のトップにも連絡しているようです。

 電話の内容から作業が発生したのは想像できます。
 それがどんな作業なのか判断できません。上司ができないといい切ってしまうほどの問題だったのでしょうか?

 かなりヤバイ話であろう事は想像できます。
 しかし、簡単に聞くことができません。聞かなければ話が進まないのは解っているのですが、上司も座って腕を組んだ状態で動きません。

 静かな・・・。本当に、静かな時間が流れます。
 1分・・・2分・・・3分・・・自分の心臓の音なのか、隣に居る同僚の心臓の音なのかわからない音が耳に届きます。
 遠くに座る同僚の貧乏ゆすりの音が徐々に早くなっていきます。

 永遠に思える5分が過ぎて、上司は口を開きます。

『多分、皆、いろいろ想像したと思う。楽観的な想像をした者も居るかも知れない。今から話すのは、悲惨な状況の想像を思い浮かべて、それを5倍にした程度の話だ。安心して欲しい』

 どこにも安心できる要素が無い状況のようです。

『システムの納品はOKになった・・・なったのだが・・・』

”ジリジリ”--”ジリジリ”

 また上司の携帯がなります。

『社長からだ、少し待ってくれ』

 上司の携帯にかけてきたのは社長だ。
 話を聞いて、何らかの救済処置を取ってくれたのかも知れない。そんな淡い期待を持ってしまった。

『はい。上里』

 なにやら話していますが。
 問題に関わる事ではないようです。

『わかりました。今、受付ですか?わかりました。今から行きます』

 どうやら、社長が来ているようです。
 少しは状況が好転してくれたらいいのですが・・・。

 上司は、電話を切って、自ら社長を迎えに行くようです。
 先程の話を確認して、善後策を考えるのかも知れません。

 残された者たちは、今わかっている情報から、意味がないと解っていながら、何が発生しているのかを考える。

 自分の想像したパターンを照らし合わせて、どんな状況になっているのかを検証していたのです。


 上司が社長を連れて会議室に入ってきた。

 状況報告がされている。
 社長は状況を把握していたわけではなさそうだ。

 社長の顔がみるみる険しくなっていきます。
 今日社長が来たのは、とある人物との打ち合わせなのですが、状況が打ち合わせを行う事を許してくれません。

 状況はわかりました。
 最悪の状況の中から、チームで成し遂げた事を、無視した上に、無にして、さらに新しい業務を上乗せしてくれたようです。

 わかります。営業は、赤字をなんとかしよとしたのでしょう。
 自分たちの蒔いた種を自分たちでなんとかしたかったのでしょう。先に言ってくれれば、全力止めました。

 確かに、見た目上の赤字は埋まったようです。
 営業部が主導してやったのは、ここで作られていたソフトウェアをパッケージにして売り出すという暴挙です。

 確かに、点数計算部分やそれに類する部分は”共通”です。違う解釈が会ってはならないはずです。
 しかし、現状が違うのは誰もが認識している事です。それを、有名な大学を優秀な成績でご卒業した優秀な営業が主体となって、開発に確認をしないで動いてくれたようです。

 最悪な事に、その口車に乗った新興の施設が見つかってしまって、半分を前金で貰ってしまったようなのです。

「社長。この部隊を半分に分けろと言っていますが、そんな事を許可するつもりですか?」
「許可も何も・・・。そんな話は、こちらには上がってきていませんよ?」
「営業の担当は、社長の許可済みだと言っています」
「そんなはずはない。そもそも、パッケージの話も今日始めて聞いた」
「本当ですか?」
「本当だ」

 社長は全面的に否定してくれましたが、何一つ解決していないのは間違いないのです。
 営業が勝手にやったことだとしても、動き始めてしまったプロジェクトは処理しなければなりません。

 上司と社長は、状況確認と説明をして、営業を呼び出して話を聞くことになったのです。
 現場では引き続き作業を進める事になりました。


 数時間後に、今日は解散という連絡が入りました。
 明日、営業2名(上司と馬鹿)と上司と施設のボスと話をする事になったようです。現場へ説明は、15時から行われる事に決まったようです。

 翌日現場に行くと、朝から真っ青なかおで出社してきて、作業をモクモクとこなしている人物がいました。6月に結婚式を執り行う予定の人物なのです。実は、昨日社長が来たのも、彼にお祝いを言いに来たのと、出席のお願いをした所社長が現場に来てくれる事になったのです。彼も毎年の事なので、4月は避けて何か問題があった時に対応する可能性がある5月の結婚式もさけ、暇になる6月に結婚式を行う事にしていたのです。奥さんになる人は、純粋に 6月の結婚式を喜んでいたらしいのですが、実際には6月が一番早く結婚式を挙げられる日取りだっただけなのです。
 奥さんになる人もこの業界の人なので、状況はある程度はわかっているようですが、この現場の人ではありません。
 状況の説明をして、どうなるかわからない事だけは伝えたそうなのです。

 運営の15時になりました。
 その間、現場は静寂が支配していました。

 上司とボスが現れました。
 営業は帰ったようです。正確には、帰したようです。この場に居ると、殺しかねないというのが、上司とボスの意見でした。
 顔は笑っていましたが、目は笑っていませんでした。

 どうやら、パッケージの話も、前金の話も、独断で動いたようで、営業部の上司も知らなかったようです。
 そして、最悪なのは前金を会社の口座に黙って入金させていた事なのです。そんな事をしてなんになるかと思ったのだが、本人はこれで赤字がなくなると思ったようです。
 社長と営業部のトップは、パッケージの話をした会社に状況説明に行っています。どうやら、あちらはあちらでなにか問題が有ったようですが、現場には直接関係は無いようです。
 パッケージの話は止める事ができそうだという事で、皆が最悪の状況が回避されたかと思いました。

 ただ、一つだけ問題が残されてしまったようなのです。
 営業の人間が、パッケージの件を持ち出す前に行っていたのは、この現場の営業です。

 大きなシステムでは、複数の会社が絡んでいる場合が多くあります。
 この現場でも数社が絡んでいます。

 営業は、仕様変更の依頼を現場に伝えない状態で放置して居たようなのです。
 それが捲れてしまったのです。めくれただけなら良かったのですが、内容が最悪だったのです。

 すべてのデータを攫って特定条件下で検索をかけた状態のデータを1件も取り残さずに提出する。

 とある役所からの命令なのです。
 上記の指示だけなら、プログラムをちゃっちゃと書いてしまえばいいのですが、付帯条件がひどい。『1件の取りこぼしが無いことを証明せよ』までつけられている。
 そして、該当データが考えただけで、4,000件×10億件あるのです。その中から、1件の取りこぼしもない事を証明するのはほぼ不可能です。プログラムの説明だけで良いかとも思うのですが、お役人が見て納得するのが条件なのだという事です。

 そして、この作業が6月中旬までなのです。

 これをやらないと役所から怒られるだけではなく最悪の場合は、行政指導が入る事が考えられます。
 そうなったら、また作業が遅れる上に余計な仕事が増えます。
 赤字を気にしてもしょうがないのですが、会社が傾くには十分な金額が必要になってしまうでしょう。すでに契約が結ばれています。それを、営業が勝手にやったからでは断れません。その上万が一行政指導が入った場合には、その間の休業補償はしなくていいのかも知れませんが、システム改修費用や、他の会社への支払は負担しなければならなくなります。

 なんとかしなければならないのです。
 これは確定事項なのです。

 無理難題。理不尽。
 いろんな言葉が出てきますが、もう無駄なのです。他の会社にはできません。

 ボスが理解ある人で助かりました。
 他の業務は一時的にストップしても構わないと口約束ですがしてくれました。それに、他の業務は概ね終わっています。

 スケジュールが発表されます。
 すごく人道的な内容です。絶望しか見えてきません。

 朝は、9時出社で問題はないようです。帰りは、終電で帰る事が確定しそうな分量です。それもそのはずです。この仕事は、減らされる前の人員で4ヶ月かかる想定なのです。それを、2ヶ月・・・。実質的には1ヶ月半で、半分の人員で行うのです。スケジュールがかなり優しめになっていることにびっくりしました。
 それもそのはずです。6月中旬に提出期限だと言われている物を、7月末まで行う予定なのです。
 上司は説明してくれました。役所から来ている書類を読むと、問題がありそうな状況だと、役所に行って説明する事になるそうです。それを積極的に使う事にしたようです。営業と上司が役所に説明に行くことで時間を稼いで、その間にデータの精査や証拠集めをするのです。危ない橋を最初から渡るつもりで居るようです。
 それだけ切羽詰まっている状況なのです。

 しかし・・・。

 上司は、忘れていました。
 6月に結婚式が執り行われる事を・・・。

 ボスは失念していました。
 その結婚式の仲人が自分だという事を・・・。

 そして、現場の人間は忘れていました。
 6月中旬の結婚式には、この現場の7割が出席する事になっている事を・・・。

 そして、そのデータ周りの仕事をしている人間は、話を聞いて青くなっています。
 今朝から青かった顔が今では白に近い色になっています。この現場で、該当データに詳しいのは、6月中旬に結婚式を予定している人物なのです。

--- 後日談


 私が話せる事はこれ以上無い。
 ボスも上司も、そして私たちは彼の結婚式の事を完全に忘れていた。

 彼が立ち上がって、上司の所に歩み寄るまで誰も彼の結婚式の事を忘れていたのです。
 流石に、中止にしろとは言えませんし、言うつもりもありません。

 全員で出席するためにもスケジュールの組み直しが必要になるだけです。
 それも、一番負担がかかるのは彼なのです。データの精査をする為の基礎データを作って、整合性を確認する為のプログラムを作るのが彼なのです。その合間に、結婚式の打ち合わせを行う。

 寝る時間があるとは思えません。

 彼は頑張りました。
 私たちも頑張りました。

 結婚式の前日に、彼は皆に頭を下げます。
「すみません。明日が式なので、今日は帰らせてもらいます」

 誰も文句を言いません。
 当然です。自分たちも、明日の式には出席予定なのです。

 結婚式は無事終わりました。
 正確に説明すると、出席者の大半が結婚式に出席した事は覚えているのですが、徹夜明けの状態で出席したために、乾杯でアルコールが身体に入った時点で半数が記憶を飛ばし、残りの半数は夢の世界の住民に成り下がっていました。

 そして、幸せいっぱいの新婦の横で船を漕ぎ出す新郎。でも、実際にそれを見ていたのは、新郎側では親戚や高校や大学時代の友達を除けば、社長だけだった。新郎側の出席者に用意されていた、会社関係者のテーブルで最後まで意識を保っていたのは、社長だけだったのです。
 ビデオには、意識を保っているようには見えないテーブルの麺を呆れ顔の新婦がはっきりと映っていたのです。

 新婦は彼の仕事の事もすべてわかった上での結婚だったようです。
 それは、後日にお詫びを兼ねた食事会を開いた時に聞いた話しでした。

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 今でもその当時のメンバーが集まれば、伝説の結婚式の話になる。
 上司やボスの采配に文句を言うメンバーはいませんが、優秀な大学を優秀な成績で卒業した営業様はこの件をきっかけに社内からの重圧に耐えられなくなって会社を辞めていったのですが、辞め方がまた酷かったと今でも話しに上がるほどなのです。

 営業は、会社を辞める時に、自分に不手際がなかった事を、営業の上司に一筆書いてもらおうとしたのですが、この時点で営業部では腫れ物扱いだったのです。
 自主退社扱いでの退社を迫ったのですが、営業の彼はのみ込まなかったのです。
 しかし、これ以上働かせるわけにも行かなくなって居たのも確かです。そこで、社長の一言で解雇の手続きが取られる事が決まりました。同時に状況説明と解雇した事。もし、営業の彼が関連会社や協力会社になにか言ってきても、会社として絶縁した事を説明したのです。
 この時点で、話は付き合いのある会社には伝わっていたので、社長の決断を悪く言う人は存在しませんでした。
 そんな営業の彼は、次に入った会社でも同じ様な事・・・。より問題のある行動をとったのです。会社の金に手を突っ込んで、裁判沙汰になったようです。
 その後、和解にはなったようですが、心を壊して入院してしまったようです。
 退院後は、故郷の北の大地に戻ったと風のうわさで聞いたのが最後でした。

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