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トシキとカオルが階段をのぼるとそこ
のは数人のカップルとグループの可愛
い子供たちがいた。
モノレールはまだ来ていなかった。
ちょうど、電車の線路があった。
トシキとカオルが待っていると、カッ
プルたちとはしやいでいる子供の笑い
声が聞こえる。
トシキとカオルはそんな感じの穏やか
な場所にいると、自然に笑顔になっ
た。
トシキ
(俺さ、実はこのモノレールはじめて乗
るんだ)
カオルは肩を抱きしめられながらうっ
とりした気分で言う。(
(そうなんだ、じゃあさ、今日はおもい
っきり楽しもうね)
と優しく言った。7分もするとモノレー
ルが到着した。
子供たちは急いで乗り込むと、一番前
の席を占領した。
他のカップルやトシキたちはゆっくり
と乗り込むと、
トシキは窓際の席を選んでカオルを窓
際の席に座らせて、隣に座った。
トシキの優しさを感じたカオルは
(トシキ、ありがとう、よく見えるよ)
と言った。
トシキは笑いながら(良かったな)と言っ
た。
手はあいかわらず握りしめたまま、
カオルはこの時が永遠に続けばいいの
になと思った。