藁谷喜三郎(わらたに きさぶろう)は幼馴染の清瀬洸(ひかり)と岡山にある私立中高一貫校高等部に外部入学した。入学式で喜三郎は愕然とする。今年入学した男子生徒はなんと彼一人だけだった。しかも校名は東山桃陵女子中学校・高等学校と、今年度から共学化されたにも関わらず女子という名を残したまま。そのことについて二人で話し合っていたところ、妹尾智穂という子に声をかけられ親友同士となる。その後、美甘椛(みかも もみじ)という子とも。四人が在籍する一年一組は普通科理数コース。担任は英語科の貝原先生。
入学式の翌週からは教科授業がスタート。大のゲーム好きな数学の備前先生と、桃太郎を傾倒している物理の武者先生は特にユニークな先生だった。
喜三郎は周りに先生以外、女の子しかいない学校生活の中で女子トイレ掃除、身体測定、健康診断など刺激的なイベントを体験していく。
四月下旬、春の遠足のあと一組のクラスメートだけ担任、備前先生、化学の池亀先生と共に合宿先へ。理数コース新入生学習合宿、『武蔵の合宿』が行われる。備前先生が過去に体験した悲劇の記憶と合宿先が宮本武蔵生誕の地とされる美作市なことに因んでこう名付けたのだという。
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