-
「ごめんなさいライナ様、もうぜんぶ知れちゃった。あなた、とってもつまらない男ね」
「やめてくださいよライナ殿。私はこれ以上、あなたを見下したくはない」
突き刺さるヒロインたちの失望。
それもそのはずだ。俺は本物のクニツ・ライナじゃないのだから。
-----------------------------------------------------------------------------
異世界の英雄、クニツ・ライナに成り代わってしまった主人公。
念願の異世界転生を果たしたはずが、向けられる期待と背負うべき責任でがんじがらめになる。
それでも彼は前を向く。
「不幸だったぶん幸福になれるのか? 苦しんだぶん楽ができるのか? 残念だが世界はそんなふうにできちゃいない。いいかよく聞け。今が苦しいなら、もっと苦しい思いをしてでも今を変えなきゃいけないんだよ!」
本物のクニツ・ライナが残した言葉を胸に刻み、何度だって立ち上がる。
そして、もしいつか、本物のクニツ・ライナが帰ってきたのなら――。
〝偽物があなたでよかった〟
ヒロインたちからそう言ってもらえるように。0クル
カテゴリー内順位1641位 / 8,888件
ジャンル内順位847位 / 4,303件
(1)