第6話 そろそろ
本日2話目です。明日からしばらく夕方のみの更新予定です。よろしくお願いします。
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女の子はたらいの湯船の中でゆらゆら
ちゃんと沈まないよう支えられている。
ヒール草も何度か取り替えたり、今はもみ出して少し濃い薬湯になっている。足の裏の傷も大分良くなっている
『これなら軟膏位なら塗ってもいいかしらね』
飲み薬よりいいと思うのよね?
『そう言えば、ここに来るまでに何か口にしたのかしら?』
あの足、かなりの距離を歩いていたわよね?こんな小さな体で
『⋯あ、木の実』
『⋯アカクーワの実と』
『⋯プッチーンの実』
赤い桑の実みたいな実と、口の中で風船みたいに弾けたオレンジジュースみたいな実。
『『『⋯だめだった?』』』
『『『⋯』』』
花うさぎと妖精たちが心配そうに見つめてくる。
ここまで歩いてくる道で、ヘトヘトなのにがんばる女の子が心配で、何かしてあげたくて食べさせてあげたのだ。
『大丈夫よ。心配させてごめんなさい。水分もとらずに歩いてきたのかと心配だったのよ。ありがとう、この子が無事にここまで来れたのはあなた達のおかげよ』にっこり
『『『⋯良かった』』』
『『『⋯』』』ほっ
ダメね、言い方に気をつけないと。かわいそうなことしちゃったわ。
でも、本当に良かったわ。この子たちがいなかったらと思うとゾッとするわ。
お風呂に入れながら聞いた話⋯
まさか森ウルフに追いかけられていたなんて。花うさぎたちが守ってくれなかったら大変なことになってたじゃない。
あのダメ神、また失敗したんじゃないでしょうね?
もしかして、転移場所も失敗したとか?って、まさかよね?⋯いえ、有り得るわね
何にしろ、オ・ハ・ナ・シが必要ね?うふふ
『『『『『『⋯っ』』』』』』びくっ
神樹の精様、怒ってる!
ハッ!
『さて、そろそろこの子の体も温まったようだし、上がりましょうか。のぼせたらいけないものね』にこ
いけないいけない。神のお話はこの後よね。
『『『はいなのです!』』』
『『『⋯はい』』』
『『『⋯』』』こくこく
神樹の精様、ご機嫌戻った!
『タオルなのです!』
『優しく拭くなのです!』
『髪の毛どうするです?』
『とりあえず、魔法は使わずに軽く乾かして、タオルで包んでおきましょうか』
『はいなのです!』
『寝巻き着せるです!』
『出来たのです!』
『じゃあ、お部屋に行きましょうか!』
こんこん
『おい。そろそろいいか?』
『ちょうどいい所に。今上がったの。部屋に運んでくれる?』
ガラッ
『分かった。お?顔色が良くなったか?よっと』
『ご主人様、そっとなのです』
『優しくなのです』
『ふっ。分かってるよ』
抱き上げた女の子を起こさないように優しく運び
『お布団敷いたです』
『本当はお水飲んで欲しいです』
『仕方ないのです』
『枕元に用意してあるです』
『ああ。ありがとう』
すっかり保護者となった家妖精たちが布団をめくって待っていたので、優しく寝かせる
『傷はどうだ?足以外は大丈夫だったか?』
『ええ。膝や手の平、おでこ辺りは擦りむいてたけど、ヒール草が効いたみたい。後は足の裏の深かった傷が少しという所かしら』
『そうか。これ、待ってる間に魔力を使わずに調合した軟膏だ。これなら使えないか?』すっ
『まあ!さすが森一番の薬師ね。仕事が速いわ』
受け取って、足の裏に塗ってあげる。これで幾分か良くなるでしょう。
『さて、花うさぎたちから話聞いたか?』
『ええ。聞いたわ』
『そうか⋯それじゃ、これからの事を話そうか』
『ええ』
大事な話し合いが始まる
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