悪役令嬢こと私は、ヒロインの娘です。

秋月 篠乃

あたしはヒロインなのにっ!

その言葉が母の口癖だった。

薄暗い牢の中、自分の名も知らずに、ただ生きていた。

意味の分からない言葉を繰り返す母と、狂ってしまった父と一緒に。

そんな、いつまで続くかわからないような日々は突然終わりを告げる。

突如正気を取り戻した父の凶行によって。

母に私を見てほしかった。
父に私を知ってもらいたかった。
ただそれだけを願っていただけなのに。

「やっぱりあたしはヒロインなのね!」

そのわけのわからない言葉を妹が叫んだ瞬間、私は唐突に理解した。

この人は私の母だった人だ、と。

  • 重要なフレーズ

    重要なフレーズ

    凶行
    薄暗い牢
    口癖
    あたし
    ヒロイン
    悪役令嬢こと私
    瞬間
    言葉
    意味
    日々
    自分

    Web Services by Yahoo! JAPAN

目次
★と感想

★を贈る

星を選択して「いいね!」ボタンを押してください。投票後、「いいね!を取り消す」ボタンを押せばいいね!を取り消すことが可能です。

感想を書く

感想を500文字以内で入力してください。入力した内容は作者の承認後、感想欄に表示されます。

通報をする

読者への感謝の気持ち