海賊ちゃんの異世界漂流記 (外部サイトで読む

ちょきんぎょ。

七つの海を荒らし回った……かどうかはさておき、屈強な海の男どもを従える海賊の船長である彼は、ある日いわくつきのお宝を手に入れる。

『異界の扉を開く』、などという嘘くさい触れ込みを笑い飛ばし、しかし漂流した先で見たものは、たしかに知らない景色だった。

船を失い、仲間を失い、ひとり異界へと放り出された彼が目指したものは、たったひとつ。

「海賊らしく生きるだけさ」

生きる世界が変わっても、生き方は変えられない。
そう、たとえ性別が変わってしまったとしても。

「……んん?」

――――――――――――――――――

「僕はこの目で見たことしか信じない。宝の呪いなんて、あるわけないだろ」

そんなふうにせせら笑って、いつものようにお宝を略奪した僕だけど、どうやら今回はいつもとちいとばかり違うらしい。
気がつけば船の上ではなく、森の中。装備はあるが、船と手下は消え、おまけに自分の身体も変化した。

目で見たことしか信じない。ならば目の前にあるこの異世界としかいいようのない光景も、また真実なのだろう。
生きる場所が変わったところで、生き方を変えられるほど器用な人間じゃない。
漂流先が孤島だろうと異界だろうと、僕がやることはなんら変わらない。

ただ、己の心に従って生きるだけだ。

  • 重要なフレーズ

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