人類と魔族が激しく争う世界にて、
戦場の重要拠点、塔のようにそびえる監視点にひとりにダークエルフの少女が訪れる。
任務は監視の補助として。前任者が病気となったため急遽の代役らしい。
険しい崖を登り、ようやくたどり着いた監視点には、無口な一人の人間と、ドワーフの上官がいた。
すわ! 敵か! と反応するも、どうやら監視点の先輩らしい。人間が魔族に味方する理由は不明だが、聞けば異世界から来た異邦人らしい……。なんでも、特殊なスキルを所持しており、こうした補給困難な場所での活躍を期待されての抜擢とのこと。
男の名バンジョー。スキルは「レーション召喚」通称:れーしょうかん!
一日に一回、異世界の軍用糧秣を召喚できる能力で、この能力さえあればとりあえず食料には困らないとのこと──。
そして、少女の任務は水の補給。精霊召喚士としての「水の精霊による補給」能力だけを期待されての抜擢だったのだ。
その日から始まる退屈極まりない任務。楽しみは日に一度召喚されるレーションのみ。
しかし、ランダムで召喚されるレーションには当たり外れも多く、米軍「MRE」が召喚された日のテンションはがた落ちなのだという。
少女は慣れない味ながらも、故郷の粗食に比べればかなりマシだと思ってこの生活を段々気に入り始める。
そして、先輩のうんざり顔を尻目にレーションの食レポを始めるのだった。
ただひたすら高地から監視する任務の傍ら、少女たちの異世界レーション食レポが始まる。
そして、ひたすら終戦まで、ちょっとしたイベント(人間側特殊部隊や、魔王軍の正式レーションの食レポなどをこなしつつ)を挟みながら、来る日も来る日もレーションを食べ続ける少女たちを描く……。
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