様々な人種が住まうこの世界。彼らは様々な神を信仰し、様々な神話を作り上げた。その数は種族の数だけ存在し、時に他種族の神を悪魔にすり替え、時に他種族そのものを悪に変えていった。そんないがみ合う種族。しかし、彼らの中で共通の神話が存在していた。
救世の剣の神話。
その神話の一節にはこう書かれている。
かつて世界に災厄が降り注いだ。
生き物は死に絶え、草木は枯れ、大地は干からびた。
人々は明日、生きる力さえ、失っていった。
そんな最中で立ち上がった、三人の勇者。
彼らは幾度の試練を乗り越え、災厄の前に立った。
一人は、拒絶の剣を手に。
一人は、魅了の剣を手に。
一人は、不変の剣を手に。
三日三晩に及ぶ戦いの末、勇者は災厄を打ち倒した。
彼らは災厄をとある地に封印した。
そして、その神話はこう結ばれていた。
この神話は終わりではない。
救世の剣が相まみえたとき、神話は再び始まるだろう。
神話は続く。災厄を払おうとも、神を穿とうとも。
人が生きている限り、ずっと続いていく。たとえ、世界が終わろうとも。
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